「岸から大物を狙いたい!」という方に人気急上昇中なのがショアジギング。堤防や砂浜からブリやカンパチなどの青物を狙えるエキサイティングな釣りです。初心者には「必要な道具は?」「釣り方のコツは?」と不安も多いはず。この記事では、ショアジギングに必要なタックルや仕掛け、基本的な釣り方、釣果アップのポイントまで分かりやすく解説します。
(アイキャッチ画像撮影:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)
ショアジギングの釣り方
道具を揃えたら、いよいよ釣り方です。ショアジギングの基本動作は意外とシンプル。まずは以下の流れを覚えましょう。
キャストからルアー着底までの流れ
周囲の安全を確認し、ルアーを力いっぱい投げます(キャスト)。ルアーが着水したら、リールの「ベール」という糸を止める金具を起こしたままにして、糸を送り出します。
ルアーが海底に着くと(着底)、出ていた糸がフッと止まります。これが「底を取る」という動作です。
アクションその1:ただ巻き
最も簡単で、かつ効果的なアクションです。ルアーが着底したら、ベールを戻して糸を張り、一定のスピードでリールを巻くだけ。これだけでも魚は十分に食ってきます。
アクションその2:ワンピッチジャーク
ショアジギングの代表的なアクションです。竿を一度しゃくり上げる(ジャークする)間に、リールのハンドルを一度回す動作を繰り返します。これにより、ルアーが海中で跳ねるように動き、魚に強くアピールできます。
釣れない時に見直したい5つの原因
いざ始めてみたけど全然釣れない……そんな時は、何かが間違っているのかもしれません。ここでは、初心者が陥りがちな「釣れない原因」と、その対策を考えてみましょう。
1. ポイント(釣り場)選びは適切か
ポイント選びが間違っていれば、魚がいない海にルアーを投げ続けることになります。まずはインターネットや釣具店で、青物の回遊実績がある有名なポイントを選ぶことが釣果への近道です。
2. 魚が釣れるシーズン・時間帯か
ショアジギングで狙う青物は回遊魚のため、釣れやすいシーズンがあります。一般的には水温が上がる夏から秋がベストシーズンとされています。また、魚の活性が上がる朝まずめ(日の出前後)と夕まずめ(日没前後)が最も釣れやすい時間帯です。
魚種によって狙いやすい時期が変わる(提供:週刊つりニュース西部版 河野剛志)3. ルアーのサイズや色は合っているか
使うメタルジグと、その釣り場で魚が食べているベイト(小魚)の大きさが合っていないと、見切られてしまうことがあります。周りで釣れている人が使っているルアーのサイズや色を参考にしてみましょう。
使用ジグのサイズ感も大切にしたい(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)4. タックルバランスは悪くないか
重いメタルジグを投げるのに、柔らかすぎるロッドを使っているなど、タックルのバランスが悪いと飛距離が出ず、魚がいるポイントまで届かないことがあります。まずは前述した初心者向けのバランスを参考にタックルを揃えることが重要です。
5. ルアーが見切られていないか
リールを巻く速さが遅すぎたり、逆に速すぎたり、あるいはアクションが不自然だったりと、誘い方が適切でないと魚は食ってきません。まずは「ただ巻き」で、魚が反応するスピードを探ってみることから始めましょう。
もっと釣るための上達のコツ
基本を覚えたら、次は釣果を伸ばすためのコツです。少し意識を変えるだけで、釣れる確率は格段に上がります。
釣果情報を徹底的に調査する
SNSや釣り情報サイトで、「いつ、どこで、何が釣れたか」という釣果情報を徹底的に調べましょう。毎年同じ時期に魚が回遊してくる可能性は高く、ポイントを絞り込むための最も有力な情報源となります。
実績ある釣り場に通う
評判のポイントに通い続けることは、初心者にとって非常に重要です。「この場所は足元から深くなっている」「潮がこちら側に流れている時に釣れやすい」など、通い続けることで分かる情報が、必ず釣果に繋がります。
実績場は人も多いが回遊の期待も高い(提供:週刊つりニュース西部版 河野剛志)根掛かりを恐れずに海底付近を探る
根掛かり(ルアーが海底の岩などに引っかかること)が怖いからと、海底までルアーを沈めずにいると、釣れるチャンスを逃しているかもしれません。ヒラメや根魚など、海底付近にいる魚もショアジギングの好ターゲット。根掛かりはしますが、勇気を出して底をしっかりと探ることが大切です。
根回りでは根魚がヒットすることも(提供:TSURINEWSライターあつ)狙う魚種を絞る
狙う魚種を絞ることも大切です。海底付近ではハタやカサゴなどの根魚、夏前や秋の地磯ではブリ系青物が狙いやすくなります。表層だけでなく中層や底層も探り、フォールのカウントやシャクリ回数でジグのレンジを把握することがポイントです。
狙う魚種を決めて対策を練ろう(提供:週刊つりニュース西部版 河野剛志)動画を見て勉強する
今はYouTube動画で手軽に技術を学べます。釣り場の共通点やアクション、釣れる時間帯などを意識し、動画と実践を繋げることが上達の近道です。私も初心者の頃は毎日動画で学び、海で試すことを繰り返しました。これが脱初心者の秘訣です。
安全に楽しむ装備と注意点
ショアジギングは、堤防や磯など、足場の悪い場所で行うことも多い釣りです。万が一の事故を防ぐため、安全対策は万全にしましょう。
安全対策は万全に(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)ライジャケとスパイクは必須
落水の危険に備え、ライフジャケット(フローティングベスト)は必ず着用してください。ルアーや小物を収納できるポケットも付いており、機能面でも非常に便利です。また、濡れた岩場でも滑りにくいスパイクシューズも、安全確保のために揃えておきたい装備です。
・プロックス(PROX) フローティングゲームベスト PX399
十分な浮力と、多数のポケットを備えたコストパフォーマンスの高いモデル。初心者でも手を出しやすい価格が魅力です。
・ダイワ シューズ DSー2103(スパイクソール)
釣り専用に設計されたスパイクシューズ。高いグリップ力で、不安定な足場でも安心して釣りに集中できます。
ショアジギングQ&A
ここでは、ショアジギングのよくある質問をまとめました。
Q1. 持って行くと便利なアイテムは?
クーラーボックス(魚を鮮度良く持ち帰るため)、偏光グラス(海中の地形や魚影を確認しやすい)、飲み物や塩分補給タブレット(夏場の熱中症対策)などがあると安心です。長時間の釣りになることも多いので、快適さと安全を支えるアイテムを揃えておきましょう。
Q2. 初心者おすすめのポイントは?
最初は「堤防」や「サーフ(砂浜)」など、足場が良くアクセスしやすい場所がおすすめです。
都市近郊でも青物が回遊する有名ポイントは多数あり、釣果情報サイトや釣具店で最新の情報を仕入れると効率よく狙えます。磯場は釣果は魅力的ですが、足場が悪く危険も伴うため、慣れるまでは避けた方が無難です。
Q3. ショアジギングの強みは?
A. エサ釣りは安定して魚を狙える反面、エサの準備や管理が必要です。一方、ルアー釣りの強みは「機動力と手軽さ」。いつでも道具だけで釣行でき、エサを付け替える手間がなく、魚の反応を探りながら広範囲をテンポ良く探れるのが魅力です。
また、大型の青物とのダイレクトな駆け引きを体感できるのもルアー釣りならではです。
ショアジギングで大物を狙おう
ショアジギングは、準備や覚えることが少し多いかもしれませんが、その分、一匹を釣り上げた時の感動は計り知れません。この記事を参考に、まずは最初の一歩を踏み出してみてください。 安全対策を万全にして、岸から大物を釣り上げるという最高の体験を、ぜひ味わってみてください。
<藤田浩平/TSURINEWS編集部>





