滋賀県琵琶湖の初夏の風物詩といえば手軽な小アユ釣りだろう。長浜港や彦根港では長ザオによる、直下のサビキ釣りが主流だが、今回紹介するのは手軽で安全な小規模河川の釣りだ。
釣り方
ここからは具体的に釣り方を説明していこう。
ただ果てしなく大きい本湖と違い、川での釣りの場合はポイント選択が容易だ。
川幅が狭くなる場所、深さが変わる場所、堰(せき)や落差で魚が一時的にたまる場所を探す。
川に降りる前に偏光グラスでのぞいてみて、ギラリとヒラ打ちが見えようもんならいただきである。
仕掛けをセットしたらまずは上手に仕掛けを振り込む。
狙う水深は30cmもあれば十分だ。
ウキが流れに押されて、ゆっくりと仕掛けを引きずりながらコトコトと流されていく。
この時にラセンからまきエサがポロポロとこぼれているかを確認しよう。
エサが全く溶けていかない、またはすぐに崩れてしまうようなら水を加えたり練り直したりして調整しよう。
理想は2投ほどでラセンが空になるぐらいがベストだ。
下手いっぱいまで流しきったら、再び同じように上手に振り込んでアユを待つ。
根気よく繰り返しているとほどなくまきエサを拾い始めるアユが目視できるはずである。
仕掛けが動いているなら特に誘いは必要ない。
斜めになった仕掛けがなるべくアユのタナに合うように、ウキ下を調整するくらいだ。
小アユがハリ掛かりしたかは、偏光グラスさえ付けていれば一目瞭然である。
クネクネと体をくねらせているアユが見えたらハリ掛かりした証拠だ。
すでにフッキングしているので、ゆっくりと取り込めばいい。
小さいくせになかなか下品な引きをする魚である。
連を狙ってそのままにしておくと、仕掛けを絡ませたり簡単に外れてしまうので、1匹ずつ確実に取り込んだ方が賢明だ。
手に残るさわやかな香りを楽しみながら存分に楽しんでいただきたい。
釣ったら
釣った小アユは生かしビクに入れておくか、クーラーに収めておく。
日中は30度近くになる日も多くなるので、クーラーには多めに氷を入れておこう。
そこへ川の水を少々入れておき、氷水を作りそこへ小アユを投入。
いわゆる氷絞めだ。
氷が少なくなれば、近くのコンビニで買って足しておこう。
この時期雨などで水が出た場合、小アユは腹に砂をかんでいることが多い。
そのまま料理すれば、砂が気になることもあるので、料理する前に腹ビレのすぐ横を爪で傷を入れ、ギュッと押し出してやればハラワタが簡単に抜けてくれる。
数が釣れれば少々面倒な作業にはなるが、おいしく食べるためにぜひ実行してほしい。
最もお勧めの料理法は唐揚げか天ぷら。
他に甘露煮や素焼きなどもおいしい。
骨までバリバリ食べられるのは、小アユならではだ。
香魚といわれる初夏の近江の味、ぜひ満喫してほしい。
最後に
滋賀県外から来る人に個人的には琵琶湖の西岸、いわゆる湖西の小河川を強く勧めたい。
背後に迫る比良山系からの豊富なわき水のおかげで水質はピカイチだ。
場所によっては護岸されていない手堀りの水路さえ残っている。
アユだけでなく、近年姿を見せなくなったタナゴやカジカ、本湖に下る前のビワマスの幼魚を見ることもできる。
子供さんや奥さんが釣りに飽きたら、網を片手に目いっぱいの滋賀県を楽しんでほしい。
<週刊つりニュース中部版 APC・峯卓/TSURINEWS編>