「下水処理水」と聞くとなんだか汚いもののようなイメージがありますが、なんとその水で「清流の女王」とも呼ばれるアユを養殖する試験が行われています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
BISTRO下水道とは
今回のこの試みは「BISTRO下水道」という活動の一環で行われています。かなりインパクトのある名前の活動ですが、国土交通省が主体となって行なわれており、下水処理水や処理に伴って発生した汚泥を農水産業に活用する、またそれを推進していくというものだそうです。
処理水や汚泥といった「下水道資源」には植物の成長に欠かせない栄養が豊富に含まれています。そのため例えば処理水を水田耕作に利用したり、汚泥を加工して肥料にするなど活用が行われています。(『BISTRO下水道』公共社団法人日本下水道協会HP)
鶴岡市でも以前から処理水を用いた飼料用コメの栽培が行われており、ほかの活用法もないかと検討した結果、アユの養殖に白羽の矢が立ったそうです。処理水を水産物に活用するのは全国でも珍しい例だといいますが、この「処理水アユ」が無事ブランドとなった暁には、下水道資源が全国で水産物の養殖に用いられるようになるかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>