9月11日、静岡県御前崎市の第八共栄丸に乗り、ジギングでカンパチを狙った。本命以外にイナダやイサキもキャッチできた釣行をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・加藤正則)
本命不発もイサキ活発
さて、トリヤマの主が分かったところで船は目当てのポイントに移動。御前崎の先端を、遠く右前に臨む浅場に入った。
ここは、ハタ系やマダイ、シオ(カンパチの若魚)などの実績が高いポイント。タックルをライトジギング用に変え、ボトムから中層までを、ジグをスイミングさせる誘いでサーチしていく。
しかし、潮の動きが悪いためか、マダイや回遊魚はもちろん、底物もヒットしない。そんななかでも、やたら元気だったのがイサキ。マダイ狙いのTGベイト(120g)にはもちろん、スローピッチで誘う船長の大きなジグにも無理やりヒットしてくる。どう考えても捕食ではなく、興味本位でアタックしてきているようだ。
派手に誘う作戦に変更
しかし、このイサキの行動が、無難な方向に逃げつつあった私の作戦に一石を投じ、考え方を転換させてくれた。食い気がないなら、ナチュラルな誘いでエサに似せるのはやめ、リアクションバイトで食いつかせる作戦に賭けてみようと。
次の流しで、PEライン2号を巻いたベイトタックルに戻し、ジグはお気に入りのケイタンジグSTD150gをセット。あたかもヒラマサを狙うときのようなワイドなワンピッチで、バンバンジグを飛ばしてやった。場合によっては低活性な魚を散らしかねないもろ刃の剣だが、地味に誘っても食わないなら結果は同じだ。
底付近で本命ヒット
カンパチは底層回遊魚、水深も30mしかないので、底から10m以内を、ジャークスピード、ジグを引く距離を変えながら探っていった。何度目かのトレースの後、ボトムを切って2シャクリ目、上昇中のジグをねじ伏せるように、もんどり打ってヒットした。
のたうつ魚の感触がロッドに伝わる。遠慮なくフッキングを入れ、そのまま魚の頭を制御しにかかったが、相手はドラグを滑らせ、まっしぐらに底に向かう。指ドラグを効かせて止めたが、逆に火が着いたように加速し、逃走を図ろうとする。間違いなくカンパチだ。
船長に海底の状況を聞くと、そう荒くはないとのこと。一瞬ロッドを送って魚の向きを変え、こちらを向いた隙に、ショートポンピングでグイグイとリフトし、主導権を握った。
5kg級カンパチ浮上
続いて、相手は船下を逆舷に向かったが、ロッドでため、ぐるりと旋回したところでそのまま巻き寄せ、水面でもうひと回りした後、船長がスマートにネットイン。
キャッチしたのは極太の4~5kg級カンパチだった。ふと時計を見ると、沖上がりまで残り30分ほど。ドラマチックな展開に、とても充実した釣行となった。