野釣りの大型ヘラ狙いでは、「春の乗っ込み」「梅雨の増水」「秋の荒食い」とチャンスがあります。今回は初心者でも釣りやすい『マッシュベースの両ダンゴ』を解説。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・土屋ナオト)
秋は大型ヘラ狙いに最適
長い梅雨が明け、真夏の日差しも束の間。朝晩吹く風は涼しく今年は早く夏が終わりを迎えた感じがします。「一雨ごとに秋の気配が強くなって来ている。」そんな気持ちになります。
秋といえば「食欲の秋」が私の中では一番に出てきますが、人だけでは無く、魚、ヘラブナにも同じようなことが言えます。水温的にも適温になることや冬前の体力をつける荒食いの季節となるからです。管理池でも似たような現象に出あう場面もありますが、どちらかといえば野釣りの大型狙いの方が大きく実感でき、釣果にも分かりやすく出ます。
ハードルが高そうな野釣りの大型ヘラブナ釣りですが、狙うポイントとセッティングさえ合ってしまえばそこまで繊細な釣り方をする必要もなく、超大型が素直に食ってくるので、ぜひ試していただければと思います。
使用するタックル
やはり大型ヘラを狙うには、ある程度しっかりしたタックルがオススメです。春のように短いサオで浅場を狙う時ほど超ヘビータックルにする必要はありませんが、細仕掛けでは根本的にヘラの引きに負けてしまってのラインブレイクや仕掛けトラブルの原因になります。これらを極力避けるため、ある程度しっかりしたタックルを使用します。
ロッド
障害物周りを狙う時期ではなく、基本的には回遊してきたヘラを狙います。陸っぱりでは基本的には足元から沖に向かって深くなっているため、深い水深を狙えるメリットや沖に回遊している場合が多いため、18尺を基本に21尺まで使用します。
人が周りに居ない場合や足元からドン深の岩盤の場合などは15尺を使用することもあるため、15~21尺。基本は18尺といった長さがあれば万全でしょう。硬さはある程度しっかりした中硬~硬調が、仕掛けも振込みやすくオススメです。
ウキ
大きめのエサ、ハリを支えるため、1.2mmほどの太さで、ある程度ストロークがあるトップの物を使用します。私の感覚では、少しの風でも容易に振り込めるオモリ負担だと使用しやすいです。ボディは14~16cmを基本的には使用します。
ハリ
タナまでしっかりエサを持たせ、大型のアオリにも負けないように太軸の、フトコロの広いハリを使います。16号を基準に14~18号まで使用します。
ミチイト
視認性が高く、ライントラブルが少なくなるように張りのあるラインを使用します。太さは2号を基準に風が強い場合や21尺で浅いタナを狙う場合には、ウキから穂先の間が空き流れ易くなってしまうので、1.5号に変更する場合もあります。
ハリス
基本的にはミチイトの半分の太さを使用します。長さはタナが2m以上ならば上60cm下75cm、以下なら10cmずつ短くします。比較的長めなのは、全体的にタックルが重いので落下速度などのバランスをとるためです。
エサ
徳用マッシュ600cc +マッシュダンゴ400cc+アルファ21を25cc+水700ccでしっかりと粘りが出るまで50回ほど混ぜ、小分けして使用します。
ポイントの選び方
気温差が大きくなってくる時期のため、水深があるポイントを選びましょう。岩盤エリアなどは特に狙い目。ダムの中流域~下流域を基本的に狙います。ワンドの入り口や岬など回遊の確率が高いポイントを選びますが、ワンド内でモジリが多い場合や魚影が確認できる場合などはワンド内の水深があるポイントを選ぶようにします。
関西で今回の釣り方で大型の実績がある釣り場は、室生ダム、高山ダム、上津ダム、などです。
基本的な釣り方
基本の釣り方としては、タナ2mからスタート。打ち初めは寄せを意識して、ハリより一回り大きなエサを付け、振り切り気味に一定のペースでエサを打っていきます。
セット釣りと違い、両方のエサが食わせる目的のため、しっかりとウキのトップ先端近くまでエサの重さで沈んで行くか確認しましょう。サワリやカラツンが出れば一回り小さくエサ付けします。この時もしっかりとタナにエサを入れるため、キチンとしたエサ付けを意識します。
弱い動きはジャミやスレのことが多いので、しっかりとした力強いアタリに的を絞っていきます。