「サメはアンモニア臭い」。そんな話を聞いたことがないでしょうか。どうしてサメからアンモニアの臭いがするのか。その疑問にお答えします。
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美味しく食べる方法
ではサメを食べるのは不可能なのか?というと実はそうでもありません。
先にも述べたように、アンモニア臭くなるのは死後時間が経過してからなので、サメを美味しく食べるためには何よりも鮮度が重要になってきます。
ちなみに、ミカンやゆず、カボスなどの柑橘類に浸すのも効果的なのだとか。柑橘類のクエン酸とアンモニアが反応することで、クエン酸アンモニウムという物質に変化し臭みがなくなるそうです。
アンモニアは保存に適している
美味しく食べるのに邪魔なアンモニアですが、このアンモニアのおかげで軟骨魚類の肉は腐りにくくなります。
このため、冷蔵技術の発達していない時代には、山間部で食べられる唯一の海の幸だったそうです。広島県から山口県の山間部では、今もなおサメが好んで食べられ、「わに肉」と呼ばれ名物のひとつになっています。
サメ肉にチャレンジしてみては?
サメ肉に慣れている人からすると「サメはアンモニア臭が強いほど美味い」という意見もあるほど、美味しい食材だと言います。筋肉質ながらもしっとりとした脂にアンモニア臭がちょうどいいアクセントになるのだとか。
山陰地方や宮城県などでは積極的にサメを食べる文化があるようなので、地方を訪れた際は、ジョーズに処理されたサメ肉に是非チャレンジしてみてください。
<近藤 俊/サカナ研究所>