夏の波止釣りは己の体力との闘いである。だが、こんな時こそ大型チヌ狙いの絶好のチャンス。エサ取りの猛攻に閉口しながらも、最大46cmのチヌを頭に本命4尾の釣果となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・誠太郎)
超遠投で重量級『イラ』
練りエサもミニマダイにやられることから、足元にまきエサをタップリ打ち、仕掛けは超遠投。そのまま仕掛けを張り、振り子のように底に落とす。下層で仕掛けと合流するであろうと予測される場所にまきエサを打ち、ここで食わせる戦法で挑んでみた。
これが功を奏し、仕掛けを回収すると、練りエサは多少かじられるも底まで届いている。チャンスである。さしエサは練りエサがベストであると確信し、ひたすら打ち返す。そして遂に待望の竿引きのアタリ。
底で掛けたし、グイグイ引っ張る重量感のある引きなので、完全にチヌを掛けた…と、思い喜んでいたが、上がってきたのはイラ…。楽しい引きを味あわせてくれたことは感謝。「そうやね。あんたの存在忘れとったよ」と、魚に話しかけ、リリースした。
ようやく本命と対面
満潮の潮止まりに入り、釣る側から見れば仕掛けとまきエサとを同調させやすい状況。緊張感が高まり、今か今かと竿先を凝視。そして遂に竿先にアタリが出た。アワせると乗った。
型は小さいが、今度はチヌ確定。とりあえず作戦通りに釣って、本命を手にした。あとは良型が釣れてくれるのを祈るのみだ。その後、同サイズのチヌを1尾追加できた。
引き潮で状況が一変
良型が必ず寄ってきていると信じ、いつでもアワせられるよう臨戦態勢。炎天下でも好きなことをしていると快感はあっても苦痛は感じない。不思議なものである。
やがて潮が引きに入り、潮が右流れにかわった。若干上潮が速いが、そこは「絨毯まきエサ打ち」でカバー。やがて練りエサもかじられなくなり、さらに生オキアミまで丸残りで帰ってくるようになった、絵にかいたような展開で、良型との間合いが近づいてくる。
ついにチヌ46cm浮上
オキアミが残りだした数投目、遂に待望の劇的なアタリ。アワセを入れて竿を立てると、竿が弓のようにしなる。
「朝に釣ったイラのデカいヤツかもしれないので、ぬか喜びしないようにしよう」。しかし、その心配は無用で、沖の方でガバッと海面を割り姿を見せたのは、念願の本命であった。サイズは46cm。
この潮でさらに小型を1尾追加。引き潮に入ると、先ほどまでの緊張感を感じる潮とは打ってかわり、朝はハリ掛かりしなかった豆ゼンゴの勢いが強くなり、遂にハリ掛かりするようになった。頃合いとみて潔く納竿。