株式会社ゴーセンのフィールドテスター小野山太さんと訪れた静岡県御前崎市にある浜岡海岸での実釣を通し、広大なサーフでのポイントの見極め方、遠投の優位性や飛距離を出すための工夫などを紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
浜岡海岸で投げキス釣り
浜岡海岸に訪れたのは8月2日、同海岸にある浜岡砂丘公園の駐車場で小野山氏と合流し、足早に砂浜に向かった。
砂浜に降り立つ前に目に飛び込んできたのは、先月の大雨により河川から海へ流出し、ここに流れついた大量の漂流物。少し前までは、これらの漂流物が波間に漂い、河川からの濁りも入って、とても釣りができる状況ではなかったそうだ。
当日の状況も「完治」には至っていなかったが、だいぶ条件は改善されていた。しばらくサオを出す人もいなかったため、事前情報こそ乏しかったが、悲観することなく投げキス釣りを開始した。
波を見て釣り座を選定
多くの先着者が並ぶ砂浜を、ひたすら西に向かって進んだところで、小野山さんが最初のめぼしい場所を発見。一見何の変哲もないサーフだが、小野山さんが指さす先には、周囲より一段高く波が盛り上がる場所がある。海底に瀬(底が盛り上がっているところ)があるためだ。こういった場所は、エサを求めて回遊するキスの寄り場となる。ひとまずここに釣り座を構えることにした。
当日のミチイト
場所が決まったところで、準備を開始。小野山さんのタックルボックスには、いくつかのスプールが収まっており、その中から同氏がテスターを務めるゴーセンの「砂紋 PE×8 0.6号」が巻かれたスプールを選び、リールにセットする。同氏の場合、ミチイトは0.6号を中心に、条件や狙う投点により、主に0.4~0.8号を使い分けている。ちなみに、競技や超遠投を行う場合、風や横からの潮流など状況によっては0.2号「砂紋 PE×4」を使用する。
ピックアップ! お勧めミチイト
▼砂紋 PE×8
特殊樹脂コーティング&マイクロピッチ製法採用。しなやかな8本組で、ガイド抵抗に配慮した設計により納得の飛びを体感できる
▼砂紋 PE×4
特殊樹脂コーティング&マイクロピッチ製法採用。適度なハリによる使いやすさと飛びのバランスを追求
まずは遠投から
当日の第一投目、先述の瀬をまたぐように、その延長線上に7色(175m)ほどキャスト。着底後、小野山さんは仕掛けを手前に寄せつつ、ミチイトを通して伝わる海底の変化を探っていく。瀬までの距離はそれほどでもなかったが、遠投する作戦を迷わず選んだ小野山さんの意図は、
1. 情報収集の第一投。飛距離=探れる広さであるため、遠投を行えばそれだけ情報網も広がる。
2. 岸近くは先日からの濁りが抜けておらず、また夏場はエサ取り(フグ)も多いため、これらを避けるため。
などだ。
流れ込みは一級ポイント
さて、しばらくキャストを繰り返した小野山さんだったが、アタリもないため、早々に移動を開始する。キスが活発な時間帯のため、返答がなければ迷わず場所を変える。
次に入ったのは、小さな川が流れ込んでいる場所。サーフの一級ポイントで、見た目にもわかりやすい。こういった場所は、流下物をエサとする生物が溜まりやすく、それをエサとするキスも寄るからだ。
砂利にもポイント選定のヒントが
小野山さんに聞いたところ、こういった場所以外にも、サーフにはポイント選びのヒントとなるものがあちこちに存在している。先述の「波の盛り上がる場所」のほか、「砂利や、粒子が大きな砂が溜まっている」ところ。こういった場所は波の払い出しが生じるところで、その先の海には、流れの筋がある。こういった場所も、キスのエサとなる生物が集ったり、流されてきたりするところだ。
嫌われ者のフグもヒントに
キャストを開始してすぐ、待望のアタリがやってきた。しかし、波打ち際に現れたのはクサフグ。エサを取り、ハリスを切る嫌われ者だ。しかし、小野山さんはフグもヒントを与えてくれる大切な存在だという。理由は、エサがないところにフグはいないから。フグがいるということは、その場所にはエサが存在し、当然回遊してきたキスが立ち寄る可能性があるからだ。