バチコンと聞くと、夜ボートからアジを狙うイメージ。しかし重いシンカーを使うことで深場を攻めて、日中には多様な魚が狙える。御前崎沖で楽しめる五目バチコンゲームを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部・五井貴矢)
第15増福丸で『五目バチコン』
今回ご紹介する新スタイルの五目バチコンゲームを実践しているのが、静岡県御前崎市の御前崎港から出船している第15増福丸だ。御前崎沖五目バチコンゲームのメインターゲットは、イサキとアマダイ。イサキは夏から秋、アマダイは周年狙える。
また、この2魚種以外にも、アジやハタ類、シオやサバなどの中小型回遊魚や、キダイやカサゴなどの底棲魚、変わったところでは、高級魚のカイワリやメイチダイも狙える。使用するルアーがワームなので、ジグではなかなか釣れない魚も対象になるのだ。
ちなみに、今のところ研究段階だが、第15増福丸の増田船長の話では、シラスなど極小ベイトを捕食している魚にも、この釣り方が効くらしい。「ジグやタイラバで手も足も出ない」そんな状況に出くわしたときの裏技としても、バチコンゲームは大きな可能性を秘めている。
五目バチコンのタックル
五目バチコンゲームのタックルや釣り方など、具体的な部分について解説していく。
ライトジギングロッドがオススメ
このゲームでは対象魚により狙う水深がまちまちで、外洋に面したポイントにも入るため、潮の流速によっては、かなり重さのあるオモリを使用する。
最もライトな釣り方ではオモリは20号、ラインはPEライン0.6号、ヘビーな場合のオモリは60号、ラインはPEライン1.5号となる。前者の場合は、バチコンアジング用ロッドでなんとかなるが、後者の場合は、ライトジギング用のロッドが必要だ。
1本のロッドで、すべてを快適にこなすのは難しいが、汎用性を求めるなら、150g程度までのジグが背負えるライトジギングロッドは一番つぶしが効く。
ただし、アタリは繊細なので、張りの強いロッドは不適。穂先は軟らかく、ベリーは低反発、60号のオモリを支えられる芯の強いバットを備えたものが必要だ。イメージ的にはマダイジギングで活躍するようなタイプがベストだろう。
ベイトリールが最適
リールに関しては、150~300番までのベイトリールが適合する。ロッド同様、使用するオモリの重さで適合サイズが変わる。繊細な釣り方なら200番まで、50~60号のオモリを使う場合は、パワーのある200番か、300番のリールが適合する。
なお、イサキやアジなど、タナを意識した攻略が必要な魚を狙う場合は、カウンター付きのタイラバリールなどがお勧めだ。
適合ライン
対象魚と、これに応じたシンカーに合わせ、メインラインは異なる。イサキ、アジをメインに、ライトに攻めるならPEライン0.6~1号、リーダーは4~5号を使用。
アマダイや根魚など、比較的水深のある場所を攻めるときや、浅くても潮が速いときなど重いオモリを使う場合は、PEライン1.5号+リーダー5~7号を使用する。
なお、ライト、ヘビーいずれのタックルでも、オモリ、ライン、ロッドまでのトータルバランスが重要。アンバランスだと、リグが流されたり、思い通りにタックルを操作できない。
五目バチコンのリグとルアー
リグはアーム長10cm程度の片テンビンを使用し、アームの先にはフロロカーボライン3号前後のハリスを70~100cm、フックはマダイバリ10~12号を使用する。
バチコンと言えば、細軸の軽量なジグヘッドを使用するのが一般的だが、多様な魚が対象ゆえ、強度や掛かりの良さの点から、ノーシンカー+マダイバリがベストとのこと。船長もいろいろ試し、これがバランス的に良好とのことだ。
そして、ルアーについて。基本的にはアジング用の2inch前後のワームを使用する。タイプはストレート、細身のグラブなどを用意し、そのときの捕食傾向に合わせて使用する。タイプの使い分けによって、特定の魚種を釣り分けることもできるそうなので、ゲーム性が高く面白い。
なお、船長からのお願いだが、環境への配慮を忘れず、なるべく生分解タイプのものを使用してほしいとのこと。