新型コロナウイルスの影響を受け、水産庁が魚介類の『販売促進』を目的とした取り組みを開始。具体的な取り組みの目的や内容について、同庁に電話取材しました。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版編集部)
水産庁が魚介類の販促を開始
新型コロナウイルスで苦戦が続く水産業。外食自粛などの影響で、出荷量が減少しています。そんな漁業者を支援するべく、水産庁が『魚介類の販売促進』を目的とした取り組みを開始。
詳細を同庁に電話取材しました。
販売支援の概要
水産庁によると、新型コロナウィルスの影響で供給量が減っている水産物の販売を支援するため、対象魚介類が「ネット通販で送料が無料」となるほか、「学校給食へ提供される」といった支援事業を5月に開始したとのことです。
取り組み開始時の対象魚介類は『マグロ類、ブリ類、ホタテガイ、マダイ、フグ類、ウナギ』の6種類。コロナウイルスの影響で価格が下がり、出荷量が減ったものが対象となっています。対象となる魚種については、今後増えていくそうです。(6月末には22魚種が追加されています)
事業の背景と目的
新型コロナウイルスの影響で水産業は窮地に立たされています。例えば、外出自粛の影響で魚料理が提供される外食業の売上は減っており、外食産業へ供給をしている漁業者も大打撃を受けています。
このような問題を受け、漁業者の支援を目的として、魚介類の販売促進をおこなうことになったそうです。
具体的な支援例
次に支援策の具体的な内容について紹介します。
対象ネットショップで送料無料
1つ目がネットショップでの販売促進を目的とした『送料無料』の取り組み。取り組みを開始しているショップは現時点で「ギョギョいち」というサイトのみですが、送料が無料となるショップは今後増えていく見込みとのこと。
また、農林水産省でも同様に送料無料の支援策を実施しており、そちらのサイトの対象ショップでも色々な品目が送料無料となっています。
「ギョギョいち」: https://jf-gyogyo.jp/
「農林水産省支援ショップ」:https://ec-hanbai-suishin.jp/
自宅に送料無料で高級魚介類が届くのは消費者としても嬉しいですよね。
実店舗での試供品支援
消費拡大を目的として、鮮魚店や漁協運営のスーパーなどで試供品として水産物を提供、PRにつなげる取り組みも開始されています。以前から刺身などを試食できるお店はありましたが、今回の取り組みでは、水産庁が補助金を出すことで支援するとのこと。
「あ、この魚おいしいから買っちゃおう」というような消費活動につなげていくのが目的でもあります。魚屋さんに行ったら無料で高級魚が食べれちゃう、なんてこともあるかもしれません。
学校給食への提供
学校給食でも魚の提供が開始されています。すでに鹿児島県では6月18日から、長崎県では6月19日から提供がスタートしており、今後も各自治体に広まっていくとのこと。
水産物の消費を促進するのはもちろん、子どもたちが魚料理に触れることで、将来の「魚食文化づくり」も視野に入れているそうです。