テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】

身近な水辺に生息し、釣りで気軽に狙うことができるテナガエビ。味もよく、調理してもとても美味しいエビです。今回はそんなテナガエビ釣りの生態・時期・竿・仕掛け・釣り方などをまるごと紹介します。また、テナガエビは夜行性のため夜にも狙いやすく、昼と夜の釣り方にもスポットを当てて解説していきます。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部 松村計吾)

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昼のテナガエビ釣りのコツ

テナガエビは基本的に夜行性です。日中はテトラや石積み、藻、アシなど障害物の中に潜んでいて、光量が少なくなる夕方から活発にエサを求めて徘徊し始めます。日中でも曇り空や雨の時など、光量が少なければ活発に動く事があります。ただ、障害物に潜んでいる日中でも、エサを見つけると貪欲にエサを食べるのも特徴です。

そんな習性を考慮した上で、釣り場や釣り方を考えると昼夜問わずに狙うことができます。今回は昼と夜の釣りに分けて、その釣り方とテナガエビがいる場所も詳しく解説していきます。まずは昼のテナガエビ釣りのコツを解説しましょう。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】テトラなどの障害物がテナガエビのすみか(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村)

昼に狙うポイント

テナガエビは日中、障害物の中に身を潜めながらエサがあれば食べます。そして、案外浅い場所に居る事が多く、あまり遠くを狙う必要はありません。具体的には水深は10cmもあればテナガエビは釣れます。

狙うポイントは浅場のテトラや捨て石などの転石があったり、藻やアシが繁茂しているエリアとなります。ただし、藻やアシが繁茂している場所は糸が絡んだり、ハリが藻に掛かったりして釣り難いので、オススメはテトラ帯や転石のある場所。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】テナガエビポイント例(作図:週刊つりニュース西部版 APC・小関孝夫)

砂に埋もれたテトラの隙間で浅くて少しスペースがあるような場所だと、高確率でテナガエビが潜んでいます。さらに橋の下や、橋脚が岸近くの浅い場所にあるなど日陰の多いポイントだとベストです。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】橋脚やテトラなどが揃った釣り場(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村)

昼のサイトフィッシング

テナガエビは嗅覚が優れているのか、エサを放り込むとどこからともなく寄ってきて、待つヒマもなくエサを掴んで引っ張っていきます。この時、ある程度透明度のある釣り場であればエサに寄ってくるテナガエビを見る事ができるでしょう。こういったエビを見ながらのサイトフィッシングも面白いです。

浅場を狙う場合の注意点

浅い場所での悪条件としては、向かい風などが吹くと、波打ち際がバチャバチャと波立ち、非常に釣りにくくなります。また、河口域では潮の干満により潮位がかわりますが、満潮時に水深10cm程度なら、潮が引くにつれてポイントが干上がってしまいます。大潮の再干潮時などは、ポイント全てが干上がっている事もあるので、潮位を見ながら適度に水位のある時間帯を攻めるようにしましょう。

夜のテナガエビ釣りのコツ

続いて夜のテナガエビ釣りのコツを解説していきます。夜はテナガエビが活発になるので狙いやすく、昼よりも数釣りが期待できます。ただし、足元も見辛くなり危険も伴うので、明かりも用意し安全に配慮して楽しみましょう。

夜に狙うポイント

基本的には日中同様すみかとなる障害物のあるポイントがいいですが、夜は障害物から活発に出てくるので、オープンなエリアでも狙うことができます。そのため、テトラが隣接した水深1m以下の護岸沿いなどが好ポイントとなります。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】夜は大型も多い(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村)

夜の仕掛けは工夫が必要

夜なので電気ウキ釣りもできますが、どうしてもウキ自体が重く、アタリが出た時にエビに違和感を与えやすいです。そこで、ウキを止めているすぐ下にルミコなど、超小型の発光体を付けるといいです。ミャク釣りの場合も目印として発光体をハリスに付けておくと、アタリを見極めやすくなります。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】ウキの下に小型発光体を付ける(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村)

連玉ウキで向こうアワセの釣り

また連玉ウキを使用した方法もあります。この時には、オモリをやや重めにして、連玉ウキ全体が沈んでしまうような状態を作ります。夜なのでほとんどアタリが見えないですが、時々軽く竿を上げて聞きアワセて見ると、ツンツンとすでに掛かっている事も多いです。アタリを見極めて掛けていくという釣りではなく、向こうアワセ的な釣りになりますが、ワザとアワセを遅らせる事ができるので、ヒット率は高いです。

ポイント移動も効果的

夜なら基本的には同じ場所で釣り続けても、フレッシュなエビが移動してくるためヒットし続けることが多いですが、時にはスレることもあるのかバラシが多くなることがあります。そんな時は小移動を繰り返して、掛かる割合が高い場所を探すといいでしょう。アタリがあっても掛からない原因としては、違和感を感じたエビが長い鉄脚でエサを摘んで引っ張って居るだけの場合と、テナガエビ自体が小さい事もあります。

夜のサイトフィッシングも

日中のサイトフィッシングを紹介しましたが、夜ならではのサイトフィッシングもあります。透明度が高く水深のごく浅い小河川などのポイントでライトを当ててでテナガエビを探し、仕掛けをそのテナガエビの前に落として釣るというものです。

テナガエビはライトで照らすとページトップの画像のように目が赤く光るのでそれを頼りに探します。また、ライトを照らしてもあまり警戒せず、エサを食べに来ます。仕掛けはミャク釣りでも、ウキ釣りでも構いません。

陸から釣りができる場所ならいいですが、水に入らないと釣りが成立しない場所もあります。その場合は浅場でも危険が伴うので、明るい時間帯に場所の下見をしておき、滑りにくい靴とライフジャケットの装備など安全対策は万全にしましょう。

テナガエビは美味しいエビ

テナガエビは非常に美味しいエビです。ただ、テナガエビを始め、エビやカニの仲間は死んでしまうと、身の腐敗が始まるのが早いです。そのため、釣っている最中はできるだけ生かしておくのがオススメです。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】酸欠に弱いテナガエビ(撮影:TSURINEWS関西編集部 松村)

特にエアーポンプなしでバケツなどに入れておくと、酸素欠乏であっという間に横たわって死んでしまうので、注意が必要です。

汚いエリアのテナガエビ

都市河川や池などの止水域といった水質のあまり良くないエリアで釣った個体も、そこまで臭いが気になることは多くないエビで美味しく食べられます。ただ、体内に泥が残っていると少し泥臭さを感じることがあるため、できれば糞を出させて泥を吐かせたいところです。

泥抜きのやり方は、カルキ抜きをした水道水に1~2日程度生かしておきます。このときはやはりエアレーションなしでは死んでしまうので注意しましょう。また、水が汚れたら水換えもします。

食べる前の下処理

食べる際は氷水か酒や焼酎に5~10分程度漬けて締めた後、塩で揉み洗いし体表の苔や汚れを落とします。特に大型のエビは苔などがしっかりついていて、食べる際の臭みの原因になるので丁寧に取りましょう。

テナガエビ釣り総合ガイド【エサ・仕掛け・昼と夜の釣り方・釣り場紹介】定番の唐揚げは絶品(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

下処理が済んだら殻ごと唐揚げやパスタなどにすると絶品です。また、たくさん釣れた場合は、一度茹でて冷凍しておくと長持ちします。

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