伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「端境期に効くグルダンゴ」。ダンゴとグルテンの混合エサのことだが、なぜか春と秋の季節の変わり目で、このエサ使いが活躍する場面が増える。伊藤もこのエサを多用するらしい。今回はエサの保管方法について。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
ヘラ釣りにもコロナの影響が
「端境期に効くグルダンゴ」のテーマで進行してきました。ですがここにきて新型コロナウイルスの感染拡大が、ヘラ釣り業界にも大きな影を落とし始めています。これからいったいどうなるのでしょうか。
「春本番。各所で乗っ込みが始まるなど、魚の世界はいつもと変わりなのにね」
感染防止策として舟宿や管理釣り場の営業を自粛しているところも出てきました。
「ここまで事が大きくなると、正直ボクら一個人ではどうすることもできないよね。自分にとってできることをする。今はそれしかない」
いわゆる『三密』は避けるとか、そもそも外出しない、人に会わない、あとはマスク・手洗い・うがい・消毒などの自己防衛ですよね。
「そうだね。でも本当に残念だ。こんないい時期に釣りを自粛しなければならないなんて。まぁ健康と命あってのものだから、比較対象にはならないと言えばそれまでなんだけど」
へら師の感染予防対策
伊藤さんは、何か感染予防対策をしてますか?
「一般的なことだよ。人と接する時は距離を保つ。換気のよくない閉鎖空間には近づかない。人の多い所へはなるべく出歩かない。それに手洗いやうがい、消毒ともはや誰もがやっていることを粛々とこなしているよ」
大好きなお酒も?
「突っつくねぇ(笑)。外飲みはね。自宅でしんみり晩酌してるよ」
そうですかぁ?とか何とか言って「消毒代わり」などとかこつけて、かえってお酒の量が増えてたりして(笑)
「それはご想像におまかせします(笑)」
ところで釣り場は、とくに野釣り場なんかは閉鎖空間ではないし、移動も車が多いでしょうから、釣行することが『三密』にはあたらないと思うのですが、それでも自粛なんですよね。
「まあ仕事としてはってことだよね。たとえばここでボクが読者に対して『なるべく釣りには行かないようにしましょう』なんてプライベートの釣行に口をはさむ立場にはない。釣り人がそれぞれの視点で、コロナウイルス対策を考えればいい。ただボクらの場合は、少なくともメーカーの看板を背負ってプロとして釣りをしているわけだから、仕事(取材を含む)としての外出や釣りは控えろという決定であれば従わざるを得ないんだ」
グルダンゴは保管方法に注意
本当にいい時期なのに残念です。さて、今回のテーマはグルダンゴです。最後にこのエサについて何かアドバイスがあればお願いします。
「であれば、保管方法についてかな。使っているエサを、どう経時変化させずに保管するか」
それはグルテンと同じですよね。風を避けて、直射日光が当たらない所。たとえば使うぶんだけを小分けして、あとはフタをしてエサボウルに入れておくとか。
「グルテン以上に保管には気を付けて、ということだよね」
と言いますと?
「たとえばグルテン単品なら1回に作る量はさほど多くない。だけどグルダンゴとなると、ダンゴと混ぜ合わせるわけだから、単品よりも量が多くなる。それでいてグルテンが入っているから乾きやすい。ダンゴ単品なら手水で戻したりして調整できても、グルテンとの合体だとなかなかそうもいかない。だから量をたくさん作る人ほど、保管には十分注意してほしいんだ」
なるほど。では問題は、作る量ですね。
「そういうこと。グルダンゴを使おうと思ったのだから、そこそこの活性はあると踏んでのことでしょ。だとすれば、エサ打ち回数も多くなる。ならば面倒だからエサをいっぱい作ってしまえというのも道理ではあるけれど、保管方法を失敗するとせっかく作ったエサがムダになってしまう。だから要注意って話なんだけどね」
でもエサ打ち回数が多ければ、そもそもエサが減るペースも早いんだから多く作っておいても問題なくはないですか?
「そこだよ。だから最初は様子見でそこそこの量を作って、きょうはエサ打ち回数が増えそうだと感じたら、次のボウルからは多めに作ればいいんじゃないかな」
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>