今週のヘラブナ推薦釣り場【群馬県・城沼】

今週のヘラブナ推薦釣り場【群馬県・城沼】

待望の乗っ込みシーズンが到来。しかも今年は例年になく早いサクラの開花が発表された。群馬県館林市にある城沼も、もれなくヘラブナの始動は早いようだ。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 棚網久)

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淡水の釣り ヘラブナ釣り

城沼の概況

取材時はまだハタキはなかったが、ちかいうちに1回目の乗っ込みとなるのは間違いない。近年は釣り人が多数押し寄せて、大型を釣るのが難しくなっているのは事実。それでもアクセスよし足場よしの大型フィールドは、今期も人気となるのは間違いない。

城沼のヘラ釣り場としての歴史は古く、関東で初めて養殖ベラが放流された場所とされている。もっとも当時は食用として放たれたわけだが、需要がなくその後のヘラ釣りブームに便乗して現在に至る。

放流初期は小ベラの数釣りだったが、近年は大型釣りのメッカとして関東を代表するフィールドとなった。おもに乗っ込み前後の春が最盛期だが地球温暖化の影響なのか、ここ数年は厳寒期~初春(サクラが咲くまで)に大型出現の確率が高まっている。

それに伴ってか近年は大型釣りファンがメキメキと増え、盛期には早朝から場所取りが始まるほど。だが客数とヘラ個体数のバランスが取れていないのと、ここ数年マブナの数が増えて本命の出現率は下がる一方だ。

それでも客足が途絶えないのは、アクセスと足場のよさだろう。東北道・館林ICから至近で、そのうえ水辺は急な傾斜もなく簡単に釣り台が組める。これなら多少足腰に不安がある人でも気軽に大型狙いにチャレンジできる。

直近の水況は例年よりも水位が高め。正確な数値は出せないが、おそらく10cm前後は高いだろう。これが乗っ込みにどう影響するのか。なお例年のハタキ初日は3月末ごろだが、今年は水位と水温の関係で早まると予想される。サクラの開花を待たずして1回目、ないし2回目のハタキがあってもおかしくない。

城沼のポイント解説

周囲約6kmの岸辺全域でハタキがあると思っていい。ただし入釣可能ポイントは限られる。前面がハスだらけとか、車が近くに止められない、ハタキはあっても釣りにならないほど水深が、などなど。

であれば釣り人が常時入釣してポイント開拓が進んでいるヤオコー(旧アピタ)前~同店未舗装駐車場にかけての北岸が、メインポイントになるだろう。

今週のヘラブナ推薦釣り場【群馬県・城沼】ポイント図(作図:週刊へらニュース 棚網久)

ここのエリアには2つの特徴がある。

(1)ポイントの両脇がアシに囲まれて前面にはハスの茎が生い茂るエリア…いわゆるアシ穴的ないかにもハタキが近くで起こりそうな形状。

(2)アシもハスの茎も少なく全面も広いエリア…おもに流れ込みから東側に多い地形。

一見すると(1)のほうが乗っ込みに有利なポイントだが、タイミングが外れるとマブナの猛攻にあう。周囲に何もない広いエリアを、長めの竿で狙ったほうがいい場合もある。

今週のヘラブナ推薦釣り場【群馬県・城沼】マブナが少ないのはどちらの「穴」か(提供:週刊へらニュース 棚網久)

到着してハタキ音でも聞こえようなものなら、ついついアシ穴的な場所を狙いたくなるが、それもケースバイケース。以下は入釣の参考例。

完全にハタキに入っているなら(1)もしくはそれと似た地形のポイントに入り、アシまたはハスの茎近くを狙うか、穴の中間(広い所)にウキを立たせる。また岸辺から1.5m前後を境に水深が極端に(と言っても数十cmだが)変わる地点があるので、その手前の浅場を狙うか、そのすぐ沖か、さらに沖か、と考察してみよう。

ハタキも何もなく水面が静かなら(2)が面白い。中~長尺竿でウキを沖に立たせて釣るスタイルなので乗っ込みの雰囲気は味わえないが、思わぬ大型に出会えるチャンスがある。しかも障害物周りではなくエサに反応した魚なので、食ってくる可能性が高い。

仮にハタキに遭遇し(1)に入釣できなかったら(2)に入って水深変化の境目を狙うか、ひん繁に竿を変えて魚の通り道を探してみよう。もし見つかれば回遊してきた大型を一発で仕留められる可能性がある。

釣り方とエサ

どこのエリアに入ったとしても釣り方はバランスの底、またはライトドボンがメインだ。前者は無風もしくは弱風の通常時、後者は強風で強い流れが発生した時の対抗策。

ポイントの形状で使うべき竿の長さが異なるので、竿は6~18尺を10尺までは1尺飛びで、以降は最低でも2尺飛びで準備しておきたい。ウキを立たせる位置を変えたい場合、竿の長さもそうだが釣り台の位置でも若干の変更はできる。釣り台を移動させるのは面倒だが、乗っ込み期はウキの位置ほど重要なものはないので、こまめに調整したい。

エサは両グルテン。近年はマブナが多いので、臭いのあるエサを打つと収拾がつかないほど寄ってしまうことがある。ところが常連のなかにはセットで打ち、マブナのなかから本命を拾う釣り方で大型を上げている人もいる。

どちらが正解とも言えないので、ウキの動きを見ながら集魚が必要なのかどうかを見極めるといいだろう。

大型釣りで常に論争となる小バリか大バリかも話しておこう。食わせるなら前者だが、小エサの小バリはマブナの入れ食いを助長する。

マブナのアタリをなるべく避けたいなら13号以上の大バリを使い、しっかり手もみしたグルテンを付けるとウキの動きは落ち着きやすい。どちらがいい悪いでなく、どうウキを動かしたいかでハリの大きさやグルテンのタッチを使い分けるといい。

テンポよく打ち返して常にウキを動かし続けたいなら小バリの小エサ、逆にマブナやそのほかのジャミアタリはなるべく出させずに、どっしり構えて釣りたいなら大バリ大エサというように使い分ける。

なお流れが出たらライトドボンがいい。水深が浅い(深くても1本半)ので、大きなオモリとウキを使った流れ川のようなドボン釣りではなく、小ウキのトップがシズシズと沈むくらいのオモリ量でドボン釣りをすると、バランスの底釣り以上の成果をもたらしてくれることもある。

流れると言うことは風が強いはずなので、水面が荒れていることがほとんど。これこそ大型狙い最大のチャンスなので、バランスの底釣りができないなどとあきらめずにドボンで狙ってみよう。

<週刊へらニュース 棚網久/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
城沼
入釣料…¥500(現場徴収)。釣り台必携。長靴、藻刈り鎌用意
この記事は『週刊へらニュース』2020年3月27日号に掲載された記事を再編集したものになります。