三重県・志摩沖が熱い。トンボと呼ばれるビンチョウマグロがジギングで釣れ盛っているのだ。今がチャンスと、2月29日にチャレンジしてきた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・田中こうじ)
志摩沖でビンチョウマグロジギング
午前6時すぎに9人を乗せて、志摩市船越を出船。ポイントとなるのは、ビンチョウマグロが好む温かい水温の潮筋。この日は全体的に水温が低く、18度台の潮が見つからず苦戦が予想された。
17.3度の潮筋からスタート。曇天で波風が少ない釣り日和だが、ビンチョウをジギングで狙うには厳しい条件だ。水深は500m以上あり、水温を手掛かりにドテラ流しで広範囲に魚を探す。だから、風がある方が有利。また風が海面を動かすことで、海中にも潮目ができやすいと考えている。俗にいう二枚潮の境目がポイントだ。
PE3号のタックルに200グラムのシルバーロングでスタート。最近は80mでアタッているという船長のアナウンスに従い、100m出してワンピッチジャークで探る。ドテラ流しでジグが前に払い出されるので、角度とラインの余長分を考えて80m前後を探る。
水中の潮目を意識する
最初の流しは船中バイトなし。少し深いポイントに移動し2流目。120m落としてワンピッチで様子を見ると100mでジグが重くなり、50mでもジグが重くなる。そこには潮目がある。ベイトや本体の反応は入らないようだが、朝一のポイントと違い、潮目は確実にある。
浅い方が釣りやすいので、50mの潮目を狙ったがノーバイト。正確にはバイトはあったがサバ。カツオのヒットもないまま時間だけが過ぎる。何か変化がほしい。ヒントとなるのはサバのヒットゾーン80mに50mと100mの水中の潮目。
深めの潮目を狙い、ほとんどの人がシルバーロングを使っていたので、ピンクグロー220グラムのジグに換装。100mの潮目を狙う。80mのサバゾーンも通過し、120mまで落とした時にジグを止めるバイト!
80cmのビンチョウ「小トン」浮上
クラッチを返してフッキング。イトフケがあることを計算して2度、3度と巻きアワセを送り、十分に重量を感じてビンチョウと確信。
だがスルスルと上がってくる。残り20mになってやっとラインを引き出したが、それもすぐに止まってビンチョウが浮いてきた。ネットに収まったのは80cmの小トン(小さいビンチョウ)。
1尾のビンチョウが船中に活気を取り戻す。バイトのあった水深、パターンを共有し続けていると大ドモでバイト。これは残念ながらフックアップせず。ジャークする腕にも力が入ってしまう。
船中25kg本命浮上
突然胴の間でヒットの声。その直後悲鳴のようなドラグ音が響く。見ていると「きた」と右隣の中西さん。連鎖ヒットだ。トリプルヒットを目指したが、残念ながらヒットはせずにジグを回収しファイトを見守る。
ロッドをブチ曲げた見応えのあるファイトで25kgが上がる。中西さんは全然浮いてこないと苦しそうなファイト。魚の動きからジグを背負っている可能性大。リアフックにヒットしてフロントが胸ビレかどこかに掛かっているのだろう。こうなるとなかなか浮かない。長いファイトの末に25kgが上がった。
もちろん次を狙ったが最後までバイトはなかった。後半は70~80mに本体反応が入ることがあったので、期待したのだが。
<週刊つりニュース中部版 APC・田中こうじ/TSURINEWS編>