伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「昔からあるグルテンアルファ21」。繊維系グルテンの代表格とも言えるこのエサを、釣り人は親しみを込めて「21」と呼称する。今回は同エサの特殊な使用例について紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
仁丹サイズのグルテン
グルテンアルファ21が1に対して水が1。水分を完全に吸いきるまで放置したら両掌の中に挟んで、あとはグリグリと圧力をかけながら空気を抜くイメージで練り込む。掌にグルテンがくっ付いて剥がれにくくなるほどに粘りが出れば完成。
掌内で練るのだから1回に作る分量は粉30㏄程度が目安。これ以上だと掌に収まりづらく練り込みづらい。練り込む狙いは、マッシュの抜けをスローにすること。つまりはバラケ性を極端に遅らせるのが目的だ。仁丹なのだから、釣り方を問わずハリ付けは仁丹サイズ。つまりは極小。それに合わせてハリも小さめを使用する。
想定シチュエーションはセットの宙釣り&底釣りの食わせ、超食い渋り時の両グルテン。とくに3つ目の両グルは、厳寒期の管理池で効果抜群。時にはバラケを使用する段差の底釣りを凌駕することもある。「魚はいるけど食わない。ならば食うまで待ちましょう」的な時には試す価値がある。
野釣りでも効果はあるが、魚がいるのかいないのかの見極めが必要。居ないのに待ってもお地蔵さんになるだけだ。
超ペトのグルテンが食い渋りに有効
グルテンアルファ21が1に対して水2。水を入れたら根気よくかき混ぜる。何なら固まりかけるまで混ぜてもOKだ。出来上がったばかりのグルテンは超ペト。とてもではないがハリに付けられない。
だが10分以上放置すると「これならハリ付けできる」くらいに硬くなる。ここからさらに練り込むか、そのままハリ付けするかは、その時の釣り方やエサ持ちで工夫する。
最適なシチュエーションは両グルテンの底釣り。まれに宙釣りでも効くことがある。両者とも厳寒期~春先のやや食い渋った時がベストタイミングだ。極軟なら食い渋り時に効果はないのかとも思えるが、ハリ付けが大きくなりがち(軟タッチなのでハリが大きくないとエサを持たせられない)なので完全に食い渋ってしまったら、むしろ仁丹グルテンのほうが効果が高い。
超硬大エサ
グルテンアルファ21が1に水0.8~1で作り必要であれば練り込む。ハリは10号前後を使用。高活性時の大型狙いで、とくに底釣りで効果あり。いもグルテン・新べらグルテン底などはブレンドせず単品で使うのが特徴だ。
最適なシチュエーションは大型が高活性な時。つまりハリにエサさえ付いていれば食ってくるような時は効果絶大。これでもカラツンが出るようなら、さらにハリを大きくしてエサ付けも大きくする。
カラツンの原因はエサが持っていないまたは地底にエサが安定していないとする考え方なので、普通ならカラツンが出れば小さくハリ付けしたり軟らかくするところからは逆行させる。
それほど高活性なら両ダンゴでもいいとなるがそれは確かにある。だが両ダンゴのブレンドで悩みたくないなど、さまざまな理由でグルテンで釣りたい人も世の中にはいるはずだ。アルファ21の硬め大バリは、意外にも大型釣りに向いているので試してみて損はない。
次回は「粒戦細粒ってわき役なの?」です。
伊藤さとしのプライムフィッシング【昔からあるアルファ21:第1回】から読む
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伊藤さとしのプライムフィッシング【昔からあるアルファ21:第3回】から読む
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>