三寒四温になり、春の気配を感じ始めた2月12日(水)、外房飯岡の隆正丸から出船、絶好調が続いているハナダイ(チダイ)をコマセ釣りで狙った。終日、暖かく穏やかな海上で、グッグイーンとダイナミックに訪れる三段引きを思う存分楽しんだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村 隆)
隆正丸でコマセハナダイ釣り
早朝、隆正丸受付の女将にあいさつ。集まった7人のファンと共に芳野忠司船長が舵を持つ2号船へ。右舷に5人、左舷は3人と分かれて乗り込み、私は右舷胴の間に釣り座を構える。
5時10分、船着き場を離れて釣り場に向かう。ナギの海をたんたんと進み、40分ほどキャビンでくつろぐうちに釣り場に到着。
ハナダイの釣り方
船長の「はい。着きました。準備してください」のアナウンスに、ビシカゴにコマセをきつめに詰める。下窓は全閉、上窓を3分の1開ける。仕掛けのウイリーバリには持参したイカ短を、先バリにはオキアミを付けてスタンバイ。
潮回りをして魚群を捉えると軽く制動がかかり「はい、いいですよ。水深33~23mの範囲を探ってください」の合図。
仕掛けを流し入れてから、竿の弾力を使って天ビンとビシを前方に振り込む。ミチイトのマークを確認しながら送り込み、下ダナの33mでストップ。2、3秒仕掛けを潮になじませてから誘いにはいる。
海面に向けた竿先を1mシャクり上げ、リールを1回転。イトを巻き取りながら竿先を海面に戻して、再びシャクり上げる。これをくり返しながら上ダナの25mまで丹念に探る。2往復したら回収してコマセを詰め直す。
早々にハナダイ連発!
2投目、下ダナから誘い上げてくると、水深29mでコツコツと本命のアタリ。軽くシャクってアワセをいれるとグッグイーンとハリ掛かり。念のため追いアワセをいれて、手巻きで上げると強い三段引きがたびたび訪れる。思わず口笛を吹きたくなるほどの快感だ。
やがて澄み加減の海中から白っぽい魚体が浮上して海面を割るとピンク色に変わり、30cm超えの本命が横たわる。無理に抜き上げず、傍らに置いたタモを使ってすくい上げ、思わずニンマリ。
朝の好時合いに突入したのかほとんど空振りなしで食ってきて、瞬く間に足元のオケはピンクの魚で埋まっていく。
左隣では久米さん父子が和気あいあい竿を振っている。父親の久米さんがナイスサイズの一荷を取り込んで「ヤリイカにしようか迷って来ましたが、ハナダイのシャープな引きはたまらないですね」とぞっこんの様子。
息子さんは単独掛けながら良型を手にして、こちらもご満悦な笑顔。
ハナダイの三段引きを堪能
ミヨシに目をやると、中野さんが円弧を描く軟調子の長竿を抱えて懸命に巻き上げている。穂先が海面に接するほど派手に引き込まれているので良型がヒットしたようだ。
やがて、白っぽい魚体が2つ、見え隠れしながら上がってきた。十分に引き付けて腕をいっぱいに伸ばしてダブルを抜き上げる。「竿が軟らかいので引き込みが実に楽しいですよ」のコメント。
左舷トモの岡本さんも絶好調。折しも取り込んだナイスサイズを掲げて「沖釣りは何でもやりますが、ハナダイは格別な面白さがありますね」とすっかりハマッている様子。
コマセを食べすぎたのだろうか、後半になると少しアタリが遠くなる。すると、竿上げのアナウンスが出て小移動。
再開すると、活発なアタリが復活して船中のあちこちでピンクの魚が乱舞する。誰もがメリハリが効いた三段引きを満喫した。
「スローにねちっこく」で追釣り
終盤になると潮が緩んだ。アタリは相変わらず多いが、食いは浅くなりハリ掛かりしない。船長は新しい群れを探してくれるが状況は変わらない。
それでも右舷トモの浅野さんは同じペースで数を伸ばしていく。
浅野さんの釣法
1:下から2回ほど竿先を大きくあおってコマセを出す
2:アタリがあってもすぐにはアワせず、リールを超スローで巻いて誘い続ける
3:竿先がグッグイーンと引き込まれたところでアワセを入れる。
こうするとしっかりハリ掛かりするようで、その見事さにしばらく見入ってしまった。
見よう見まねですぐに実践してみる。コマセを振ってアタリをだしてから食い込むまで、スローにねちっこく誘うのがキモで、格別な面白さがある。私もこの釣法で数を伸ばしながら11時半の沖上がりを迎えた。