イワシの活きエサ釣りとして、第一に頭に浮かぶのはヒラメだろう。千葉県外房の大原には活きイワシを使った別の釣り物としてマハタがある。1日1~2尾が珍しくない釣りだが、当日は2.5kgを頭に1~4尾と好釣果。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・鈴木俊洋)
大原港からマハタ狙いの泳がせ釣りへ
千葉県外房・大原港にある、いくつかの船宿がマハタ狙いで受付をしている。季節限定ではなく通年狙う船はあるものの、活きエサが解禁される時期はより活気を帯びる。
さらに、1日狙って1~2尾上がれば納得の魚が、竿頭7~8尾という今期の好調ぶりを聞き、釣行することにした。
1月後半になり、週末は天気の悪い日が続いている。船宿に無理を言いながら予約を何日かに分けて入れ、何とか海上に出られることになった。
それでも低気圧の影響で海上はシケていて、通常は航程30分で到着するポイントまで90分かかった。
エサはマイワシとカタクチイワシ
私の釣り座は左舷3番。両舷5人ずつで総勢10人だ。活きエサが配られると開始の合図がでる。
今期はイワシの入荷状況が悪いようで、大きさがばらばら。マイワシのほか、カタクチイワシが交じっている。
仲乗りの若船長から「遠慮なくエサを使ってください」、船長からは「エサが小さいので鼻掛けにしてください」とアナウンス。
マハタは、ゲストとして何度か釣り上げたことはあるが、メインターゲットとしては初挑戦。
前日から降り続く雨はいまだに残っているが、風はそれほど強くない。ウネリが大きく釣りをするには少々厳しい状況だ。
水深30mの海底に着底したオモリで様子を探るとゴツゴツと荒い根のようだ。ここに身を潜めて、近づいてくる獲物を狙っているマハタを誘い出し、うまくハリ掛かりさせることができるだろうか?。
朝イチがサービスタイム
乗船前の説明では、海底から5m上までがタナになるそうだ。着底後、ゆっくりリールを巻いて仕掛けを上げながら誘っていく。5m上まで探った後、今度はゆっくり誘い下げていくのがセオリー。根はとても荒いようで、仕掛けを下げると水深は45mになっている。
大ドモで竿が曲がって、朝イチから本命が取り込まれた。
「朝の2時間くらいがサービスタイムで食いが活発な時間」と若船長。言葉通り、船内のあちこちで竿は曲がるが、私には何の反応もない。
そのままサービスタイムは終了。いい人は2尾確保している。
本命マハタ2.5kgをキャッチ
9時を回るころ「タナは海底から2m。誘い下げに反応しているようなので、しっかり誘ってください」のアナウンス。ねちねちと攻めてみるが、急に10mほどカケアガる事があるので気は抜けない。アタリはあるがハリ掛かりしない。
何度か潮周りを繰り返し「きょうはダメなのか」と気を抜いたころ、それは突然やってきた。
竿先が海面に突き刺ささるように曲がる。「アタリは突然くる」と聞いてはいたが、その言葉通り、前触れなしだ。最初の強烈な引き込みをかわし、根に潜られないように手巻きで一気に根からはがす。ここまでくれば何とかなるもので、2回、3回の引きをかわしながら巻き上げてくるとフッと軽くなる。
そこで電動リールのスイッチを入れて、一気に巻き上げるのだ。最初から電動を使ってしまうとバラシの原因になることが多い。タモに収まったのは2.5kgだ。
最終釣果
その後、何度か反応はあったものの、ハリ掛かりはせずに終了。船中釣果は2.5kgを頭に1~4尾。
船長の話によると、「マハタはナギの日にエサを求めて浮いてくる」そうで、数型ともに狙える確率が高くなるらしい。
マハタの料理方法
船長が「まずは刺し身で食べてみて」と勧めるので、食すとあっさりした脂が素晴らしい。残った魚は、あらでダシをとって鍋に。
この魚は100kgくらいまで大きくなるが、大型になればなるほど食味が増すと聞く。次回の釣行が今から楽しみだ。