関西では野池やダム湖のヘラブナは、厳寒期にはオフシーズンと言うイメージが強い。だが、場所を選べば趣のある釣りを楽しむ事ができる。ここでは私が厳寒期にもよく通う釣り場の中から、初釣りにオススメなヘラブナ釣り場を紹介したい。
（アイキャッチ画像提供：WEBライター・久保一美）
TSURINEWS編集部
意外とある厳寒期の釣り場
野池やダム湖の野ベラ釣りも、12月を過ぎて年明けから2月末の厳寒期になると、急激な水温の低下で、特に野池などではヘラブナが仮死状態になる場所もある。
そんな寒い時期であっても、我々、野ベラファンは「そんな時期だからこそ」と言う思いで数少ないフィールドを見つけて釣行している。
ダム湖でも兵庫・丹波市の準山上湖である佐仲ダム、あるいは大杉ダムなどは魚影も濃く面白いフィールドだ。川で言うと、加古川や紀ノ川（下流域）などが面白い。中でも加古川はヘラブナの放流もあるので魚影が濃い。
奈良県下では布目ダムのように、毎年11月に2.5トン程度の放流がある事から、地ベラも動き、底釣りや深宙で良型ヘラブナが狙える。
そこで、私なりにこの時期にオススメとなるヘラブナ釣り場を3カ所挙げてみた。
1､小波田川【三重・伊賀市】
美形のサイズが狙える筆者お気に入りのポイント。
近年は数が減りサイズアップ
個人的にもっともお気に入りの釣り場である。釣り場は名阪国道の友生ICから南進して約10分の上野森林公園の南に位置した、上下流300mほどのポイント。川そのものはほとんど流れがない。
小波田川の釣り場（提供：WEBライター・久保一美）7、8年前は手の平サイズが目立った場所だった。水質の影響からか、極端にヘラブナの魚影は薄くなってしまったが、美形のヘラブナが多く、サイズも尺前後から尺3寸級（39cm前後）が釣れるので面白い。釣り方はバラケと食わせ（グルテン）のセット釣りがメインとなる。
近年は良型も多い（提供：WEBライター・久保一美）極端にアタリが小さい
釣り方での注意点としては、アタリが極端に小さいので、ウキのトップはPCかソリッドで感度の良いものを使いたい。そしてあれば便利なのがスコープである。アタリが「ツン」や「チク」ではなく、「モゾッ」と押さえる程度の場合が多く、肉眼では見にくいからだ。
したがって、ヘラブナのいわゆる「サワリ」や「気配」があれば、両グルテンで待つのも釣果を上げるコツ。
ちなみに厳寒に冷え込みが強くなると、上流部は氷が張るので注意したいが、本流筋は問題なく釣りができる。
小波田川
所在地：三重県伊賀市
2､白川湖【奈良・天理】
良型狙いにおすすめのポイント。
底釣りか宙釣りで
白川湖（白川ダム）はこの時期、数でないが良型が望めるのがうれしいフィールドだ。
白川湖の湖岸風景（提供：WEBライター・久保一美）水深はポイントにもよるが、18～21尺の竿なら床までが約3m。いわゆるバラケエサとグルテンの底釣り、もしくは両ダンゴの宙釣りで狙える。何と言っても白川湖は湖岸がコンクリートで整備されており、足場が良いのが魅力。
足場の良い湖岸でヘラを（提供：WEBライター・久保一美）冬の時期でも40cm前後の良型がよく釣れる。そして、ポイントによるヘラブナの大きさにあまり差がないのが特徴である。
護岸は滑るので注意
注意点としては、コンクリート護岸は早朝の入釣時には夜露やこれからは凍結などで滑りやすくなっている（コンクリートにコケが付着している）ので、注意されたい。
白川湖
所在地：奈良県天理市
3､大和川【奈良・大和郡山市】
腹パンヘラブナを狙うなら、高実績場！
温排水流入の恩恵
大和川と言っても流程は長いが、冬のヘラブナ釣り場としてオススメしたいのが、大和郡山市にある「奈良県浄化センター」の下流側で、「新板屋橋下流部」だ。
このポイントは佐保川と大和川が合流する地区で、浄化センターから温排水が流入している事から、真冬でも15～17度と水温が高い。その影響もあってか、2月末には産卵する事がある。
特に年末から1月末には腹パンのヘラブナが釣れる。ここでは昨年にも尺半級（46.6cm）の実績がある。コイも多いが、釣れるヘラブナはほとんどが40cm級だ。
独特のドボン釣り
ここでの釣り方は日により異なるが、「ドボン（ハリ通し式）釣り」がメインとなる。エサが流れないよう、オモリを底に固定して釣る方法だ。
自作の固定用オモリ（提供：WEBライター・久保一美）アタリはウキを持ち上げたり、ぴくぴくしたりと千差万別。流れがあるので、バラケエサは必要なく、グルテンで十分だ。
ドボン釣り用仕掛け（提供：WEBライター・久保一美）以上の3カ所がオススメ場だ。白川ダムは有名な釣り場だが、大和川の40cm級、小波田川の極小アタリは大変妙味がある。
大和川
所在地：奈良県大和郡山市
＜久保一美／TSURINEWS・WEBライター＞
