ゲーム性の高さと食味から、のめり込む人も少なくないカワハギ釣り。関東エリアではいよいよ夏シーズンのスタートだ。今回は夏カワハギ上級者へのステップアップに欠かせない2つのポイントを解説します。マスターすれば平均釣果の底上げ間違いなしだ!
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・荒井良乃介)
夏カワハギの生態
夏のカワハギ釣りは、産卵真っ只中のいわゆる『ノッコミ』の個体と、産卵を終えている個体が混在し、群れをなして回遊するというよりは、根周りや砂地に点在するような状況です。
関東エリアでの特徴は以下の3つ。
A、10~20mの浅場がメインポイント
冬場とは全く異なる根のせり上がりの上や、遠浅の砂浜などのポイントを攻める為、アタリがよりダイレクトに感じられ、手返しも速くなります。
B、釣れるのは中~大型主体!
小型の回遊がまだない為、根に居ついている良型が主に釣れます。良型は口が大きく、ホバリングするようにエサを一気に口に含むので、独特な前アタリを出してきます。
C、魚が群れていない!
先述したようにカワハギ同士の競争がない為、目の前の1尾との駆け引きを楽しむことができ、より丁寧な釣りができます。
これらの特徴を踏まえて、関東エリアの夏カワハギ釣りの平均釣果底上げのためのポイントを解説します。
平均釣果アップポイント1:『モタレ』
カワハギ釣りにおいて、大きく分けて手感度と目感度という2種のアタリがあります。
今回紹介する『モタレ』というアタリは目感度に分類されるものの一つであり、夏カワハギの釣果に最も直結する最重要項目だと思います。モタレというアタリを出す場合、大型のカワハギに特に多く、ホバリングしながら仕掛けをあまり揺らさずにハリを咥えている為、手感度としてのアタリはあまり伝わってきません。
しかし、注視すると竿先だけが船の揺れとは異なる周期で上下や左右にフワフワと揺れ動く事があります。これがモタレです。モタレは完全にハリを吸い込んでいる、または咥えこんでいる時に出るアタリである為、釣った魚は写真のようにハリを飲み込むような釣れ方をします。
『なんの前触れもなくいきなり掛かってきた、エサを取られてしまった』という経験をした事がある方は沢山いると思いますが、実はその前触れのモタレに気付けていないだけ、だったのかもしれません。
夏のカワハギは口の中に含んだアサリを吐き出さないことが比較的多い為、モタレをしっかりと出す個体が多いと思います。夏カワハギ釣りで常に好釣果をあげる人は必ずこのアタリを捉えています。
平均釣果アップポイント2:『抑え込み』
先述したモタレのさらに応用、より捉える難度の高いものが『抑え込み』というアタリです。潮が悪い時や食いがあまり良くなかったりする時、口にエサを含んだ瞬間にのみ魚の重さが竿先を僅かに抑え込む(重さが乗る)ことがあります。この瞬間はモタレと同様に手感度としてのアタリはあまり伝わってきません。『抑え込み』は針先に魚の重さが乗った時に出るアタリなので、タイミングよく合わせに成功すると写真のように上顎をしっかりと針先が貫通するような掛かり方をします。
これはモタレを捉えられるようにならないと感じる事は難しいと思います。
ハイシーズンへも応用しよう
先に述べた2つのポイントは夏のカワハギに限らず、ハイシーズンでも有効になります。ハイシーズンでは小型のワッペンサイズも混ざり、モタレや抑え込みのアタリは良型よりも小さくなります。
しかし夏のカワハギ釣りでは目の前の一匹との駆け引きができ、良型の魚が主体である為、丁寧な釣りをすればモタレや抑え込みを捉えやすいので、スキルアップにはもってこいの条件が揃っています!
<荒井良乃介/TSURINEWS・WEBライター>