5月末、テンヤマダイ早期からこの釣りに通い、北は青森、南は鹿児島まで釣り歩いたベテラン・エコギアプロスタッフ榎戸富(ゆたか)さんの釣行取材を茨城・鹿島の植田丸からおこなった。
植田丸にてテンヤマダイ釣行
最近の鹿島エリアは、濁りが強く食い渋り気味で、誰でも簡単に釣れる状況ではない。しかし、突然大型がドカンと出たり、数が上がったりすることも。イチかバチか、腕、タックルで差が出るなかでのチャレンジ。舵を持つ植田竜也船長は「最近は難しく当たりはずれが大きい。船長泣かせです。
きょうも難しいと思いますよ」と苦笑い。釣り座でタックルセッティングが終わり、5時すぎに濃霧のなか出船。雨が降ったかのように服や道具が濡れて、太陽は見えず、カッパを着ないと寒いほど。
視界不良で東西南北の感覚がマヒするなか、しばらく走って到着。最初のポイントは水深33m前後の根周り。「この前に来たときより水が茶色く濁っているね」と、榎戸さん。
グリーングロウに活きエビで開始
船長が「この時期は濁りが出て難しい」と言う。まずセレクトしたのはオーバルテンヤ3号のグリーングロウ。それに活エビをセットして投入。
「光量の少ない朝イチや濁り潮ではグロー系を使うことが多いです」と教えてくれた。「ただし、◯◯=◯◯とは一概に言えません。ほかの人が金系を使っているからあえて人とは違うことをして、アタリカラーを探ったり、サバなど特定の魚種ばかり食ってくる状況ではカラーを変えて、いかにマダイを釣っていくか試したりします」と続ける。
テンヤだけではなくさまざまな釣りをする榎戸さんは、豊富な経験から定番に縛られず、臨機応変な対応をみせる。このときに、カラーが複数あると対応しやすいので、同号数で複数色あるとベスト。
こまめにゴールドメタル、シルバーメタル、マットピンクなど、カラーローテーション。号数を変えて攻めるがアタリは少なく移動。
浅場で本命顔見せ
浅場に着くと船長から「ここは水深15m前後。根の起伏が激しく、すぐ根掛かりするので気をつけてください」とアナウンス。
このころには霧は薄くなり、快晴で日差しが強くTシャツ短パンでも暑いほど。投入後しばらくすると、ビシッとアワセを入れる。キレイな弧を描く竿。上がってきたのはなんと40cmオーバーのイシダイ。
脂が乗ってとても美味しく、うれしいゲストだが目の前でバラシ。同船者には、ヒラマサ、クロダイなども釣れている。魚探も騒がしくなり魚っ気がある。なかなか本命が出ないなか、ミヨシ側で1kg級が上がる。ゴールドメタルの5号を使用しているとティップにアタリがでた。
アワせるとマダイ特有の”三段引き”に竿が追従して上がってきた。ようやく顔を見せたのは小型ながら本命。そのあとはカサゴやショウサイフグが上がる。