3月20日(水)山梨の富士五湖の1つ、西湖でヒメマスの春シーズンが解禁を迎えた。
ヒメマスの概要
同湖では、春と秋の年2回解禁。春シーズンは3月20日~5月31日まで、秋は10月1日から12月31日まで楽しめる。
ヒメマスは、ベニザケの湖沼残留型で、北海道の阿寒湖とケミチャップ湖、ロシアのカムチャッカ、アメリカのアラスカが原産。
明治期に支笏湖を皮切りに約60の湖に移植され、今では、阿寒湖、支笏湖、十和田湖、中禅寺湖、芦ノ湖、西湖、本栖湖、青木湖などが有名な釣り場だ。
さらに、淡水魚のなかで、もっとも美味な1つとされ、根強い人気がある。
絶滅種とされた秋田県田沢湖の固有種であるクニマスが発見されたことでも、同湖は一時期話題になった。
ポイントとタックル
3月22日(金)に釣行。この日は穏やかな陽気で晴れ時々曇りの微風。朝の気温は5度、水温6度の平水で濁りなし。釣舟白根からローボートを借りて6時に出艇。
まず、魚探を見ながら、ポンプ場前、白浜沖、初音沖と魚影を確認していく。湖央まで来たところで魚影が確認できたのでブイにボートを係留して釣り開始。
水深50mで10m、20mと40m、底に反応がある。恐らく10mのタナはヘラ、そして底層はワカサギだろう。なので5本サビキ仕掛けにイクラエサで、タナ20mを中心に2m間隔で3本竿を出す。
しかし、1時間たってもアタリはまったくない。そこで、魚探に反応のある35~40mに仕掛けを下してアタリを待つ。
シビアなタナ取り
オモリの荷重で曲がっていた竿先のテンションがなくなった。食い上げるヒメマス特有のアタリだ。
口が弱いので軽くアワセを入れ仕掛けを回収。18cmと16cmが2尾釣れてきた。
例年なら、ノベ竿でも届くような浅いところにいるのだが、今年はタナがかなり深い。釣れた水深40mを中心に、2m間隔で仕掛けを下すと、ポツポツと釣れてくるようになった。
ちなみに、サクラマスは10m下からでも食い上げてくる。ニジマスなら、タナが2~3m違っても食ってくる。しかし、ヒメマスは、1m違うと食わない。これが、この釣りの難しさだ。
ほかのサケ科魚類に比べて口が非常に軟らかい。巻き上げ途中や水面でバレることが多くある。それほどタナの設定が大事であり、取り込みが難しい魚なのだ。
最終釣果
このあと、アタリが止まると2mおきに5本竿を出し、釣れればそのタナを中心に1.5m間隔で3本竿に切り替える。これがいつものスタイル(西湖では、最大5本まで竿の本数が認められている)。
試行錯誤を繰り返しながら14時40分に納竿、帰着した。
釣果は、13~24.5cm24尾。平均18~20cm。
深ダナで水面バレが多く、制限尾数に達しなかったのは残念だったが、久しぶりのヒメマス釣りを堪能できた。西湖には何年も通っているが、これだけ深ダナで釣れたのは初めて。ワカサギの産卵に伴う接岸により、群れは徐々に浮いてくるものと予想される。
今シーズンは、経験値だけに頼るのではなく、安価でも魚探を携行したほうがよく釣れることだろう!
西湖
<週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也/TSURINEWS編>