イサキやアジ、タチウオなど船のライトゲームの魅力はゲーム性のほか、おいしい獲物がたくさん釣れることだが、いずれの魚種も正確なタナ合わせとテキパキと効率よく釣りを行うことが数を伸ばすコツ。今回、旬のイサキ釣りを題材に、この釣りを効率よく行うキモと必要なアイテムについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
旬のイサキ釣りへ
的確なタナ攻め、効率よく釣るノウハウだが、実釣シーンと照らしながらリポートしたほうがより分かりやすいと思う。そこで、電動リール用バッテリーでお馴染みのビーエムオージャパンの浦野さんと訪れた三重県国崎沖でのイサキ釣りを例に、その実践法を紹介したい。
勝丸で釣行
釣行したのは7月頭。乗船したのは同県鳥羽市国崎出船の勝丸。イサキのほか、スルメイカやイシダイ、タテ釣りなどを展開する2隻の大型船で多様な釣りを提供している人気船だ。
乗船した勝丸(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)基本の釣り方
最初に入ったポイントの水深は45m程度、イサキの反応は40m前後に出ており、このタナを狙った。浦野さんは一度オモリを着底させたあと、指示ダナの最下部まで巻き上げ、タナに入った時点でシャクリを開始し、コマセを振り出していく。
スタッフのアドバイスに基づき、コマセを放出しては10秒ほど待機し、アタリが無ければ再びシャクリを入れてリールを巻き、上へ上へとイサキのタナを探っていく。
30cm後半のイサキ登場
40mあたりまで来たときアタリがあり、開口一番から30cm台後半のイサキをキャッチ。その後もこのタナを正確に狙い撃ち、浦野さんは釣果を追加していった。
朝イチから良型イサキ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)タナ合わせがカギ
その後、コマセが効いてくるとイサキのタナもじわじわ上昇。38mあたりでよくアタるようになった。イサキ釣りでは、時間の経過とともに最もよく食うタナが変化する。
コマセが効いてくればタナが上がるし、下層にいる他の魚が食い上がってくると、イサキのタナが押し上げられたりする。ゆえに、初めに釣れたタナに固執せず、指示ダナの近辺で、重点的に探るタナを調整していく。
コマセを撒くとイサキやアジ、サバ、その他外道が積層式に群れをなし、本命のタナを外すと外道のオンパレードになる。
底から10mくらいまでシャクリ上げてくるのがセオリーの海域は別として、タナを狙い撃っていくスタイルの海域では、探り上げても指示ダナの上1~2m以内(斜めになびいた仕掛けがタナの上層を捉えられる位置)に収めよう。
アタリがないからと指示ダナを無視してコマセを撒くと、外道をイサキのタナに招き入れてしまう。
タナの頂点付近を重点的に探る(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)タナ合わせを正確に行うために
タナを外さないためには、電動リールのカウンターの誤差はきっちり修正したい。しかし、新しいイトを巻いた時に調整しても、PEラインは一度使うと引き締まって径が変わって微妙な誤差が生じる。
大まかな数値の把握はリールのカウンターで確認し、微調整はラインのマーカーを目で数えてタナを合わせるのがベスト。
カウンターは正確に修正しよう(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)タナの上層を狙う
イサキの群れは数mの幅をもって船下に入ってくるが、活性の高い個体や大型は、群れの上層に進出してコマセを漁る傾向が強い。このため、「38~42mを狙ってみて」と言われたら、37~39mあたりを狙う。
仕掛けは潮を受け斜めに垂れ下がるので、仕掛けの長さが2mなら、天秤の位置を37~38mに持ってくる。こうすることで、仕掛けは38~39mの一番おいしいところをカバーしてくれることになる。
同船者の中でやたら良型を釣っている人、ダブルやトリプルを決める人は、このロジックを知っていて実践しているのだ。
高活性なタナを狙えばこのとおり(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)周辺機器を強化するのも手
なお、イサキの群れは常に一定のタナにいるわけではない。多少上下に動くし、群れの縦幅が広い部分と狭い部分があったりする。これを正確に追うために有用なのが探見丸。リアルタイムで船下の群れの動きや形状を把握できるので、群れの上層を正確に捉えやすくなる。
両者を併用する場合に便利なのが、電池容量に余裕があって、電気の放出端子に幅のあるタイプのバッテリー。電動リール用バッテリーにはリチウムイオンタイプと鉛タイプがあるが、ボディサイズや重量当たりの蓄電量は前者が圧倒的。
また、電池残量が減ってくると鉛バッテリーは急激に出力(電圧)が低下するが、リチウムタイプは規格通りの電圧を長時間維持する。加えて、鉛タイプよりも電気の送出能力に優れるリチウムタイプは、電動リールが本来持っている性能を100%引き出し、巻き速度も圧倒的に速くなる。
マイバッテリーは沖釣り必需品
なお、船にも電動リール用の電源が設置されているが、ひとつの電流を他人数でシェアすることになり、極端に言うと「流しそうめん」と同じ。誰かがガッツリ電力を消費するとそれ以外の人が割を食らう。
せっかくリールのメーターを修正し、タナもバッチリ合わせたのに、電圧異常でリールの電源が落ちたらすべてパア……。このため、沖釣りを楽しむならマイバッテリーは必須。選ぶならもちろんリチウムタイプがベスト。
6.6Ah IIとシリコンケース(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)ちなみに、今回の実釣で使用しているビーエムオージャパンの「リチウムイオンバッテリー6.6Ah II」は14.4Vの高電圧を発し、容量もライトゲームを楽しむには十二分。
重量も750gと一般的な電動リール用鉛バッテリー12Ah(1台約3.8kg)と比べ圧倒的に軽くてコンパクト。おまけに電動リールと探見丸の2台同時接続が可能な端子を備えている。
リールと探見丸の同時接続も(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)さらには、バッテリー本体を衝撃や汚れから守り、サオ受けにぶら下げて使用することもできる別売のリチウムイオンバッテリーシリコンケースも販売されており、性能と実用性ともに抜群。製品の性能&品質検査も国内で出荷前に実施しており、安心して使用できる。
リチウムと鉛の放電比較グラフ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)

