愛知県犬山市にあるワカサギ釣りのメッカ、入鹿池。今回は12月9日に入鹿池の貸ボート見晴茶屋に釣行した際の実践レポートをしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・松森渉)
今シーズンの入鹿池
今シーズンは厳しい状況が続き、12月に入っても釣果は安定しなかった。釣れるポイントも例年ならボート桟橋前の手前で釣れるのが定番だが、12月上旬の段階で釣れているのは対岸と呼ばれるボート桟橋とは真逆エリアだ。
しかも今井川河口ではなく、通称なかやワンド〜土管ワンド。このワンドが釣れるのは例年11月上旬。釣れる時期が1カ月はズレている感じだ。
理由はズバリ水温が高いことにある。今年の夏は暑く、しかもその暑さが長続きしたことで水温が下がらず、ワカサギが底に落ち着かないのだ。
そればかりか12月でもブルーギルが高活性で、どのポイントでも猛攻を受ける。さらに中層の群れが意外に食わないことも悩みのタネである。
しかし、そんな食い渋った厳しい状況を受け止め、攻略法を導き出していくのも釣りの楽しみだと思う。
1カ月ぶりの入鹿池
入鹿池に釣行するのは約1カ月ぶりになる。前回釣行したのは第3回わかさぎ釣りフェスタ入鹿池予選だ。その時は朝一から2時間以上ボウズをくらった絶望的な状況ながら、不屈の精神でワカサギを誘い出し、なんとかお立ち台に立った。
ここ最近の釣果報告を見ると、そのころより状況は良くなっている印象だ。もちろん日ムラはあるが100匹を超える釣果は出ている。
100匹の壁
ワカサギ釣りにおいて100匹は超えたい壁のひとつである。または目安となる釣果でもある。他の釣りで100匹という釣果は爆釣だが、ワカサギ釣りは釣れる魚が小さい上に数が釣れる印象がある。そのため100匹はその日釣りをする上で重要な数となる。
それは初心者でもベテランでも一緒だと思う。いかにベテランといえど、状況が厳しいときは100匹を超えるのは至難の業だ。だから好条件の100匹と悪条件の100匹で価値観が違ってくると思う。
当日の状況
午前4時半に起床。さすがに寒い。自宅がある岐阜県郡上市は気温1度。体中にカイロを仕込んで自宅を出発した。現地の気温は4度。前日は愛知県犬山市でも今季初の雪が降ったらしい。気温は下がっているので期待が膨らむが……。
午前6時前にいつもお世話になっている見晴茶屋に到着した。早速店主の奥村さんに状況を聞くと、やはり現時点での有力ポイントはなかやワンド、土管ワンド辺りで、入鹿の里沖辺りも中層で食ったらしい。釣れるタナは、基本的に底か底から少し上で、中層は群れが入っても口を使わないとのこと。
サイズは小さいので仕掛けのハリは1号メイン。エサはサシ、アカムシとどちらもでも良い感じ。釣れる時間帯は意外にもお昼すぎの午後1時以降で、辛抱が必要とのこと。なんにせよ厳しい状況であることには変わりない。
目指すはなかやワンド
この時期の出航時間は午前6時半。ボートでの準備を終え、スタンバイOK。時間がきたのでいざ出航。目指すはなかやワンド。朝もやが立ち込め、幻想的な光景が広がる。しかし、この光景は気温と水温の温度差があるために起こる現象。つまり気温は低いが、水温は高いということだ。
ちなみに朝一で水温は12〜13度。これは表面温度であって、ワカサギが釣れる底の方は水温がもっと高い。池の底の水温は、表面より高い。これは、表面は水の対流によって冷やされるが、池の底は対流が起こらないため温度が下がりにくいと言われている。とにもかくにも、この条件下でいかに釣るかを楽しんでいきたい。
タックル&エサ
当日は風が強く吹く予報なので、タックルも風対策を意識した。電動リール二刀流で、穂先は風が吹いても扱いやすい先調子を選択。
仕掛けは1号をメインに、ハリ数は5〜6本。朝一は曇っていたので、金バリ仕掛けにした。金バリでアピール力アップを狙う。オモリは当然重めの7.5〜12g。エサは白サシ、紅サシ、アカムシの三種の神器だ。状況が厳しいときほど、エサの選択肢が多い方がいい。
あとブドウムシを持参した。ブドウムシは仕掛けの上部や下部に付けて集魚効果アップを狙う。ブドウムシハンガーと呼ばれる大きめのハリに刺し、切り込みを入れてエキスを出すのだ。
そして、ここでもうひと工夫。サシはニンニクとサナギ粉で風味付けしてあるのだ。チーズサシはたまに聞くが、ニンニクとサナギ粉はもちろん自家製だ。