年末年始の魚料理で喜ばれる「アマダイ」のシーズンが本格化してきた。相模湾エリアでは、出航して20分程度のポイントでアマダイを狙うことができる。今回は平塚市にある「コグレマリンサービス」からシースタイルを利用して出艇。大本命のアカアマダイの他、深海の赤い高級魚で盛り上がった釣行の様子をお伝えする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・河野)
相模湾「アマダイ」シーズン真っ只中!
相模湾で今、「アマダイ」がアツい。アマダイの皮目に高温の油をかけて鱗を開かせる「松笠揚げ」は高級料亭でも出されており、大変美味しい魚だ。
そんなアマダイが相模湾では、港からわずか20分程度のポイントで狙うことができる。ポイントが岸から近いため、波もおだやかな傾向にあり、操船に慣れていない方にもおすすめの釣り物だ。
アマダイの種類
相模湾で釣れるアマダイの種類は「シロアマダイ」、「アカアマダイ」、「キアマダイ」の3種。一般の人がアマダイと言うと「アカアマダイ」を指すことが多い。
この3種の中で特に高級なのが、「シロアマダイ」だ。時期や鮮度によっても異なるが、1kg3万円以上の値がつくこともある。
レンタルボートがおすすめなワケ
アマダイを狙うアングラーは、船宿の乗合船を利用することが多いと思う。しかし、アマダイを狙う場合はレンタルボートの利用もおすすめしたい。
狙いを自由に変えられる
最近の相模湾は、超高級魚である「シロアマダイ」の釣果が例年以上に好調だ。できることなら、「シロアマダイ」「アカアマダイ」ともに釣り上げたいというのが釣り人の本音だろう。
しかし、この2種は微妙にポイントとなる水深が異なる。アカアマダイのポイントの水深は60〜110mなのに対して、シロアマダイのポイントは50m前後と比較的浅い傾向にある。
船宿によっては、出航直後にシロアマダイのポイントを流して、その後アカアマダイのポイントに移行するという所もあるが、レンタルボートであれば、釣りたい魚を狙う時間配分を自分で決められるのが魅力的な点だ。
エサとルアーの混在もできる
アマダイ狙いの乗合船でも、エサとルアー(アマラバ)が同船OKというところもある。しかし、仕掛けの条件等をある程度同じにしないとオマツリの原因となってしまうため、何度もオマツリが続くと、釣り人同士の間に微妙な空気が流れてしまう。
その点レンタルボートであれば、基本は知り合い同士でかつ、少人数で出艇できる。そのため、オマツリのリスクを少なく抑えることができ、オマツリをしても知り合い同士なので乗合船ほど気を使わなくて良いからおすすめだ。
コグレマリンサービスから出船
今回は、コグレマリンサービス協力のもと、9時過ぎに出船。天候は快晴だったものの、うねりが入っているような海況であった。ボートは、ヤマハ発動機株式会社が展開しているレンタルボートサービス「シースタイル」の「YFR-27HMEX」を利用した。
この「YFR-27HMEX」は数か月前に購入したばかりの新艇とのこと。コグレマリンサービスでシースタイルを利用すれば、この新しいボートを操船することができる。
当日はalphatackle、tailwalk、ハヤブサなど複数の釣り具ブランドのフィールドスタッフを務める「イリーナ先生」こと入稲福佳寿己さんと共に相模湾のアマダイを狙った。
大磯沖で釣りスタート!
最初のポイントはマリーナを出航して、20分程度の大磯沖。ボトムの地形は砂地が続き、アカアマダイが好みそうなエリアだった。
水深は98m前後。入稲福さんはオキアミを使用したエサ釣りを選択。船を潮の流れに対してまっすぐに向け、船を立てた状態でボトム付近を攻めた。
タナ取りが命
入稲福さんは仕掛けを着底させた後、錘を1mほど持ち上げ、10秒程度ステイ。これは錘の方がエサのついた仕掛けより重いため、仕掛けが底に着くのを待つためだ。
その後、1m上に大きくシャクリ上げ、一番下の針が底ギリギリに漂わせるイメージで誘い入れる。この日は潮が緩かったため1mほどシャクリ上げていたが、潮が速い時などはこのシャクリを50cm程度に抑えるなど工夫も必要になってくる。
入稲福さんからは「アマダイが海底から上を見て、目の前のエサが動いた時に食べるイメージでタナ取りと誘いを入れている」とコメントいただいた。
釣れた魚で判断する
数投後に微細なアタリがあり、巻き上げを開始。仕掛けの上針にトラギスがついていた。
入稲福さんは、すかさず仕掛けを置くタナをもう1m上になるよう作戦変更。トラギスやホウボウといった魚がアマダイ狙いで釣れた時は、攻めダナが低いという判断材料になる。
釣れたゲストをヒントにして、釣り方を組み立てるのもアマダイ釣りの醍醐味だ。
キンメダイの偽物?浮上
ポイント移動を数回繰り返しながら、タナ取りと誘いを丁寧に入れていく入稲福さん。キダイやアカボラなどのゲストは登場するものの、潮が非常に緩いこともあり、本命の姿は拝めずにいた。
12時過ぎ、ボトム90m前後のポイントで仕掛けを投入していた入稲福さんのラインが70m付近でピタッと止まった。フォール中に何かが食ったと確信し、数秒後にフッキング。これまで釣れたゲストと違い、竿がよく曲がっていた。
丁寧に巻き上げ、海面に見えた赤い2匹の魚体。キャッチしたのは、キンメダイに良く似た深海魚「チカメキントキ」。
チカメキントキはキントキダイ科の魚で、キンメダイ科のキンメダイとは別の魚だ。しかし、このチカメキントキも1kg2,000円以上で取引されることもある高級魚で食味も抜群。綺麗な赤い魚で、祝い膳に煮付けなどで出すと喜ばれること間違いなしだ。