先日から二人の女性にライトゲームのレクチャーをしている。21歳と19歳のいずれも若い女性なのだが、思いのほか食いつきがいい(魚だけに、じゃなくて)。今回は19歳の激若い娘さんのほうに都合がついたので、「また手タレしてくれませんか?」という悪い方便を使い、釣りについて解説する三度目の機会を得た。今回は、ライトゲームの基本を、男性の筆者なりに女性の視点に立って語ってみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
いざ釣り場、その前に予習
釣りには、必ず予習が必要だ。大体の感じでとりあえず行ってみるか、では、ラッキーフィッシュか雑魚以外の何も釣れない。釣れても再現性がない。もっとも、再現性がないゆえに、「どうしたら安定して釣れるんだろう?」と研究を始めることから、釣りの道を歩んでいくことになるのだから、最初に予習していくことなどむしろ邪道なのかもしれないけれど。
しかし、いくらなんでも、女性を丸裸で海に放り出すのは時代に合っていないので、ここは野暮でも基本を説きたい。詳しくはTSURINEWSから出ている「陸っぱり海のルアー釣りスタートBOOK」を見てもらいたい。筆者が担当した範囲の中のライトゲームはとりわけ入門に適しているので、おすすめだ。
できればメバルからスタートしよう
ライトゲームでは「アジとメバル」が二大ターゲットで、季節は秋冬、それから厳冬期を飛ばして春の5月まで。アジとメバルのどちらが釣れやすいかといえば、確実にメバルだ。アジは入る場所の条件が複雑で、ムラがあり、また運がある。その点、メバルは単純なので、できればメバルから入門したい。
しかし。この冬筆者が知人女性を入門させようと目論んでいたこの魚メバルが、どうも大阪湾奥ではまだ浮いてこない。そのためアジングを教えようとしているのだが、アジングははるかに難しいので、個人的には単純に「巻きの釣り」で釣れるようになるまで、アジが濃密度化してくるのを待っている。
メバリングの基本
メバリングのタックル要件は、次の通りだ。
・メバリングロッド6ft後半~7ft前半
・スピニングリール2000番
・PEライン0.3号にリーダー5lbを60cm
・ジグヘッド0.6g~1.2g
・1.5inch前後のワーム
ワンポイントアドバイスとして、女性には特に、ショートロッドをお勧めしたい。6ftもあれば、足場のいい釣り場なら十分だろう。初心者はまして足場の悪い釣り場でリスクをおかすことはないので、釣り竿の長さが規定してくれる平穏な漁港内で釣るとよい。
しかし6ftといっても180cmある。185cmある筆者もメバリングは年々ショートレングス化して7.1ftのロッドしか使わなくなったので、女性には6ftでもまだ長いかもしれない。しかしそれ以上はどうしても短くするイメージが浮かばないので、ここでは6ft前後が好適と述べるまでにとどめておこう。
釣り方はとても簡単だ。
夜・足元・表層の3一致で狙う
メバルは夜に釣る。場所は、漁港の足元から50cm以内。レンジ(水深)は、0.6gのジグヘッドを使って5カウント以内。「夜・足元・表層」が一致すれば、一投目で釣れてもまったく不思議ではない。
ワームをつけて、投げて、1回転2秒のスピードでリールのハンドルを回すだけ。本当にこれだけ!
本気の装いで「これなら釣れそう」
今回被写体となってもらっているSさんは19歳の若さで、元来なんでも器用にこなす人でもあり、物覚えがいい。この日は3.5ノットも教えたが、苦もなさそうにこなしていた。何かと協力的な人でもあり、室内でついにガチタックルを持って、ライジャケまでつけてもらった。サマになっている。
しかし、後から気づいたのだが、下はスカートだ。女性のみなさん、釣り場にはズボンで行ってください。手に軽いけがをすることもあるので、グローブも着用。おしゃれはアウトドア系でほどほどに。
もはや「手タレ」の域を出ているが、この日Sさんにメバリングの基本を実際説明してみると、「まあ本当に簡単じゃないと、そうは言わないでしょう」とリアルな声が笑顔で返ってきた。ちょっと、怖い。
今日のルアーの気分を聞いてみた
先日も聞いたことではあるが、最後に今日のルアーの気分を聞いてみると、小さいクランクとメタルジグとのことだった。
正直、メバルが狙いやすいプラグではないが、こと女性の初心者はワームなんかでちまちまやるよりも、こうして自分の好きなプラグでやるほうがむしろ面白いかもしれない。釣れたときにうれしいしね。
<井上海生/TSURINEWSライター>