ヒラスズキが釣れるルアーと聞いて思い浮かぶものはどんなルアーでしょう。色々な種類のルアーがある中でヒラスズキを釣る上で使用頻度が高いのはミノー、シンキングペンシルではないでしょうか。この二つは形状こそ似ていますが役割は大きく異なります。今回この二つルアーの使い分けについてご紹介したいと思います。
ミノーとシンキングペンシル
ミノーとシンキングペンシルではそれぞれどのような特徴があるかご存知ですか?
一般的にはミノーはしっかりとアクションして魚へアピールするルアー。リップでしっかり水を捉えてアクションします。またレンジキープに優れており、荒れるサラシから飛び出さず、引いてくることができます。
一方シンキングペンシル、通称シンペンは控えめのアクションでナチュラルに食わせるルアーです。ミノーに比べ巻き抵抗も少なく、うまく操作できているか分からないことからイマイチ信用できずに毛嫌いする方も多いのではないでしょうか。
しかしミノーでは演出できないアクション、飛距離、任意のレンジを引くことができ多様に使えるという最大の特徴があり、ヒラスズキを釣る上では欠かせないルアーとも言えます。
シーバスとは異なる使用法
シーバス(マルスズキ)とヒラスズキではルアーの使い方も少し異なります。
マルスズキ、ヒラスズキと同じ種類の魚ではありますが釣る環境が大きく異なることでルアーの使い方も異なります。
ヒラスズキは主にサラシを攻める釣りですが、これは港湾や河川でシーバスを狙う場合のシェードやストラクチャーを攻める状況と似ています。というのも意外に思うかもしれませんがサラシの中に潜ってみると中は真っ暗だと言われております。
その中でヒラスズキにまずはルアーを見つけてもらうことが肝心です。荒れ狂うサラシの中、アピールをしたところで見つけてもらえなければ意味がありません。
ルアーフィッシングが発展するまでは弓角を使った釣りが一般的でした。ヒラスズキにおいても例外ではなく、弓角を使って釣っていたとされています。その弓角は塗装されることもなかった。
つまり暗いサラシの中ではパール系カラーがもっとも威力を発揮するとも言われています。個人的にはその対極である黒系も実績があり、非常に有効だと考えております。
またヒラスズキにとってもサラシの中で泳ぐのは一苦労なのでシーバスに比べて極端に捕食可動域が狭くなります。
こちらからヒラスズキがいるであろうポイントへルアーを送り込み、あわよくばヒラスズキの口の前までルアーを持っていってあげることが望ましい。
これらの条件を満たすためにはサラシの中、ピンポイントでしっかりアピールでき、通せるルアー選びをする必要があります。
ミノーとシンキングペンシルの特徴を最大限に活かせる状況とはどんなときか、簡単に説明していきます。
ミノーが有利な場合
ミノーはリップがしっかり水を捉えるためレンジキープ力に優れています。
例えば足場の高いところでもしっかりと足元まで引いて来ることもできますし、荒れたサラシの中でも泳がせることができます。
波のセットが安定しないシケ上がり時にも活躍します。
また程よい流れの中であれば巻かずともその場で泳がせ続けることも可能です。これは引き波を利用してオーバーハングやスリットに落とし込むときに使えるテクニックです。ベイトフィッシュもルアー同様に波の影響で流されているため、より自然な演出で食わせることができますし、何よりピンポイントで狙うことができます。
使い方の特徴としてはミノーは流すルアーと考えてください。
不利な場合としてはレンジが一定のため、シャローエリアや沈み根などに根掛かりする可能性があるという点。またシンキングペンシルに比べ軽いため飛距離が伸びなかったり、風に押されてなかなか狙ったポイントへ入れることができないことが多いです。
とはいえ、近年ではシステムを搭載しているミノーが増え、飛行が安定するようになってきています。
シンペンが有利な場合
シンペンはミノーに比べて重いため、風の中でもしっかり飛ばすことができます。
また重さがあるため流されにくく、荒れすぎたサラシや流れの強すぎるスリットにピンポイントで引くことができます。ミノーでは流されすぎてしまうポイントではシンペンでどっしりと引くようにすることで釣果に繋がります。
任意のレンジを引くことができるのでミノーでは潜りすぎてしまう場合や、根がかってしまうようなシャローエリアではミノーより有利になることが多いです。
ロッドを立てて引くことで最もヒット率の高い表層を攻めることも可能です。
使い方の特徴としてはシンペンは流さないルアーと考えてください。
不利な点として、シンペンはもともとリップがないものが多く浮き上がりやすいので海面から飛び出さないよう注意しましょう。
その逆に沈みやすいのでリトリーブに注意しないと根掛かりをしてしまいます。
また重さがあるため、ヒラスズキやシーバスといった吸い込んで捕食する魚に対してしっかりヒットさせることが難しくなってきます。しっかり食わせるのはミノーの方が優れてるといえます。