「長潮」は、潮の動きが緩やかで「釣れない潮」と噂されることが多い潮回り。アジングでは「潮流の中を釣る」ことがセオリーとされていますが、潮流さえ上手く感じ取れれば、むしろ「地合いが長く続き、かえって釣れやすいのでは?」という仮説を抱き、検証することにしました。今回は「釣れない潮」とされる長潮で、ナイトゲームのアジングを試した結果を報告します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・松永一幸)
当日の状況
筆者のホームグラウンドである上天草の港一帯で、潮流の変化が大きいポイントを選びました。長潮でも明確な潮流の変化が感じられることを期待しての選択です。
潮止まり1時間前にポイントに到着すると、潮流はわずかで、いつもの釣り場はまるで「池」の様に感じます。更に、表層に漂う捕食音も聞こえず、絶望的な状況です。
「釣れない潮」と言われる所以を、肌身で感じ取り、生命感の無いフィールドを目の当たりにして、期待度はマイナス値です。また、風の無いベタ凪が、余計にその様に感じさせます。
当日のタックル
・ロッド:PSR60 The Next Stage
・リール:13 ソアレCI4 C2000PGSS
・ライン:エステル0.25号
・リーダー:フロロカーボン0.8号
使用したジグヘッド&ワーム
ジグヘッドは0.5gから0.7g、ワームは1.3〜1.8インチを選び、ソリッド系を主体にローテーションしました。
有明ターポンがヒット
気持ちを切り替えてキャストを開始。ルアーを通じて「潮流の変化」や「リグの沈下速度」を感じ取りながら、アジのいるレンジを探すことを目指しました。しかし、思った通り反応は渋く、潮流の変化は手の甲をティッシュで撫でられる程度の弱さ。ジグヘッドの重さとワームのカラーを色々試しては投入し続けました。
「カウント10」でデッドスローリトリーブを試みたところ、「コンッ」と手元に心地よいアタリが。待望のヒットかと思いきや、浮いてきたのは40cmほどの有明ターポン(ヒラ)でした。通りで引きが強いはずです。
さらにゲストが登場
「上潮」に変わり、活性が上がったのか、捕食音も聞こえてきました。しかし、潮流の変化は、ルアーを通しても感じられない状況が続きます。
「そう来るか長潮…」と、黄昏ながら「カウント0」で、さびくアクションで誘ってみました。勿論、捕食音の正体を知る為です。すると… 突然ラインが走るアタリ。クリティカルヒットです。
突っ込みは激しいものの、トルクが弱い感じの引きです。慎重にやり取りし、浮いてきたのはガーグリップで掴めない程のペラペラな太刀魚の幼魚でした。
遊泳能力がまだ無い雰囲気の太刀魚の様で、この様に「ゆっくりした潮」では活性が上がるのかな?と勝手に解釈して、優しくリリースしました。まさかの「ミニドラゴン」の登場でした。