3月28日のメバリングで、チヌを大量にかけた。「かけてしまった」という、少々残念な言い方をした方がいい。タモを持参しなかったせいで一切獲れなかったからだ。この日はチヌを4尾掛けて、5尾目が後ろを追ってきたところから、掛けないように対処した。それにしてもこの時期、なぜ「春チヌ」とも言うべき釣れ方をするのだろうか？少し分析してみた。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・井上海生）
順調すぎる春チヌ
場所は大阪南港。チヌが随一に多いエリアだ。3月28日、水温12.1℃で、メバルはどんなもんだろうと出かけていったら、まさかチヌ入れ食い。実は家を出る前に、「なんかタモ要りそうな雰囲気なんだよな」と思ったのだが、その予感がずばり的中してしまった。ちょっと面倒くさくても、大型ゲストの多い南港では常にタモが要る。あーあ、とがっかりだ。
筆者はチヌの釣果は、まあ、浮かせるところまでいったら1尾とキャッチ数と数えていいと思っている。大阪湾奥のライトゲームでは「定番ゲストすぎる」、とまで言っていいからだ。しかし、4尾5尾も食ってくるとなると、さすがに話が違ってくる。
浮かせるところまで、で1キャッチと数える（提供：TSURINEWSライター・井上海生）何がイヤかと言うと、ジグ単のリグを持っていかれることだ。一応ジグ単にもルアー単価というべきものが200円ほどはある。今回は4つ持っていかれたので、800円の損失だ。
よって、こうも「春チヌ」が順調すぎるのも困るのだ。それにしても、その理由は何か？
ノッコミパターンか？
俗に言う「ノッコミパターン」ではないかと筆者は分析している。実は先日釣り場で隣になったチヌのエサ師さんにも、「この時期はノッコミで、エサは軟らかいほどいい」と聞いたからだ。
ノッコミとは、沖から回遊してきたチヌが沿岸に卵を産むことらしい。いわゆる産卵期。他の魚と同様に産卵前の荒食いするのかどうかは不明だが、今のところバリバリ食ってくるので、どうも荒食いっぽい。
勘弁してくれ、外れない（提供：TSURINEWSライター・井上海生TSURINEWSライター・井上海生）こうなると、「ノッコミパターン」もどうやらLT化できるみたいだな、という感じがしてくる。私はもともと盛夏のチヌもメバルタックルでパターン化してきたので、特に大きな変化もなく、そのままタックルを持ってくればいいみたいだ。
タモは必須か
狙い物としてばちばちにチヌを仕留めたいなら、この春時期の「ノッコミパターン」もメバルタックルを流用し、小さめのワームでやってしまえばいいと思う。先日4尾と対峙した際には、どれも夏よりは引かなかった。タモさえ持参すれば、細イトでもランディングまで心配なさそうだ。
タモがあれば容易（提供：TSURINEWSライター・井上海生）ただこの時期は、メバルに専念したい方も多いのではないかと思う。そもそもチヌが少ない地域ならばこんな心配も無用かもしれないが、メバルだけやりたいときにチヌが襲来しまくるのは困ったものがある。ライトゲームの良いところは、軽装で気軽に釣れることだ。そこへ大きなタモ持参とは、ちょっと、物理的に「重い」のと同時に心まで重くなる。
筆者は浮上までさせてオートリリースで1キャッチと数えるので、まあうまいこと外れてくれたらそれでいい。しかしそうはいかないこともあるので、話は簡単ではない。
取り込みポイントを確保しよう
おそらく今年は過去になくノッコミのチヌが順調だ。何せ専門的にまったく狙っていないライトゲームのアングラーが、2時間で4尾かけてしまっている。タモを持参してこの大型魚とのファイトを楽しむのも良いが、別に取り込みの方法を考えるのもアリだ。
チヌはわりとちょろい魚で、水面に浮上させればもう暴れない。そうなると、足元と水面が近いところに回してくれば、フィッシュグリップで口を掴んでランディングまで持っていくことができる。
取り込みポイントがあったら、その都度そこに回して獲ろう。もちろん自分が海に落ちないように細心の注意は必要で、ちょっとでも危険要素を感じたらすぐに切ってしまうべき――それは言うまでもない。
取り込みポイント確保（提供：TSURINEWSライター・井上海生）＜井上海生／TSURINEWSライター＞
