アジングは基本的に夜のルアーフィッシングで、あまり日中に釣れることはない。アジが完全に夜行性なのではなく、日中のアジはルアーに反応しにくいのだ。オキアミを使ってサビキ釣りをするのが昼のアジの釣り方である。しかし必ずしもアジングで釣れないわけではないし、昼に釣っておく意味もある。今回はデイアジングの意義について解説していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
デイアジングは難しい
前提として日中のアジは釣りにくい。デイアジングの釣果は望み薄。筆者はアジングを通年続けるアングラーだが、デイゲームで釣れたのはジグ単ではこの数年で10尾以下、ジグサビキを使って最大20尾と、それくらいだ。地域性もあるが、日中のアジはルアーで釣れる魚ではない。
非常に難しいデイアジング。理由はいくつかある。
・魚から釣り人の姿が見えている。
・疑似餌を見切る。
・目がよく見えることから、優先的に生エサにつく。
・ボトム周りから動かない。
釣るよりも地形把握にやる価値あり
しかしデイアジングにまったく意味がないかと言えば、そんなことはない。
実際に魚を釣ることよりも、釣り場の地形把握をするためにデイゲームは有意義だ。これはどの釣りでも言えることで、視認が利く状況で、ボトムまでの水深や、海底の地形や、カケアガリになっていてハリが引っ掛かりやすいところや、ベイトが溜まっているところなどを知ろう。ナイトゲームでは有効な情報となる。
筆者も初場所は、まったくの真昼間から入ることはないが、おおむね時合いの1時間から2時間前には入って、雰囲気を見るようにしている。ここではダメだなとか、たぶんここは根がかりが多発するだろうなど、そのような感覚は経験値である程度補えるが、視認できない障害物や、足元の危険や潮汐によって濡れる堤防は、やはり日中に見ておきたい。
本気なら2つの要点を押さえよう
デイアジングは本当に難しいが、意外にすんなりと釣れてしまうこともあれば、ある要点を押さえることで釣れる確率を上げられる。本気で釣るなら、次の2つのポイントは押さえておきたい。
サビキ師の横で釣る
非常にこすっからいやり方だが、サビキ師の横に入って、おこぼれをもらう手がある。日中でも、アジは生エサには比較的簡単につく。サビキの釣り人の横に入らせてもらえば、アタリは出やすい。ただ、やはりなかなか掛けにくいのも事実だが。
うまく釣るコツは、サビキ師が入っている「潮下」で投げさせてもらうこと。潮が流れてくる、その下流で釣るというわけだ。潮下にはサビキ師のオキアミが流れてくるので、そこでアミカラーのワームをふわふわさせていると釣れやすい。
ボトム周りで釣る
日中のライトゲームはボトム周りがキーだ。アジがつきやすいというよりは、魚から人の姿が見えにくく、隠れている魚が反応しやすい。ワームの色は見切られにくいクリアを推奨する。小さなメタルジグを使うのも手だが、非常に見切られやすい。
釣れるポイントを見つけられたら幸運
一般にデイアジングはパターンが作って数釣りできるほど容易ではない。しかし地域によってはほとんど夜とかわりなく釣れることもあるらしい。筆者は大阪湾近郊のアングラーで、かつては、淡路島の各所の漁港では結構釣れた思い出がある。カサゴやメバルもルアーで釣れた。やはりネイティブで、その前に釣り人が入っていないまっさらなポイントは釣れやすい。
潮通しがよくて、回遊してくるアジの群れが絞り込みやすい漁港の水道は一級ポイントと言えるだろう。夜に釣ることはアジさえいれば難しくないので、あえてハードモードであるデイアジングを極めてみようというのも、粋な志である。
<井上海生/TSURINEWSライター>