シーバスフィッシングでよくやるのが、野鳥を見てベイト(小魚など)を確かめるやり方だ。確かに鳥を参考にポイントを絞るやり方は間違っていないとは思うが、筆者のよく行く河川にはカモが多い。特に冬場は越冬のために多く飛来する。そしてカモはベイトなどではなく、水中の苔やプランクトン、草の茎や根などを食べる。では、何の参考にもならない鳥なのか?と言えばそうではない。河川のシーバスフィッシングを例に、知られざるカモの魅力を取り上げてみたいと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
カモが多い場所の特徴
カモと言ってもその種類は様々だが、東京湾に注ぐ河川ではマガモやヒドリガモが多い印象だ。先にも書いたが、その多くが小魚類ではなく、流れてくる苔やプランクトン、草の茎や根、時にはバチ(イソメやゴカイ)なども食べる。実はカモは夜行性で、特徴として流れの緩い場所や、温かくて浅い場所に集まる傾向がある。
こういった場所は落ちつけるためか、大きな群れで集まって来るので見つけやすい。もちろん、エサが溜まりやすいのもある。始めてのポイントで地形変化がわかりにくいのならば、カモを参考にしてみてもいいだろう。特に冬場などは、日の当たる浅いシャロー帯にシーバスがいる場合があるので、見逃せないファクターだ。
参考にならない場合もある
ただ、全く参考にならない場合も多い。それは、ただ休んでる場合もあるからだ。プカプカと川の流れにまかせて地形変化など全くない場所にいるケースもあるし、エサを食べているように見えても、何を食べているのかいないのかわからない時もある。そして、集まると水面で激しくバシャバシャと騒いでる時があるが、これも良くない。特に浅い場所なら魚への影響は大きいので、よく観察しておくことも大事だ。
これはカモに限らず他の野鳥も同じで、例えば鵜などがいるとシーバスも食べてしまうから良くない。といった話しを聞くが、鵜はいつもいつもエサを探して潜っているわけではないし、ただ移動しているだけだったりもする。実際に鵜がいてもシーバスがいつも通り釣れた経験もある。このようにイレギュラーも多いので、過信しすぎないように慎重なポイント選びが必要だ。
カモをどうやって釣果につなげるか
では、カモを見て釣果につなげるにはどうしたら良いかをまとめてみよう。まず、カモは渡り鳥なので、冬場に多く河川に飛来する。夏場はあまり見かけない。そして、浅くて日の当たる温かい場所に大群で集まる傾向があり、こういった場所は冬でもベイトが多く集まったり、バチなども溜まりやすい。当然シーバスもそこにいる確率が高くなる。と、こんな感じだ。地形変化やなぜそこにカモが集まるのかがわかれば、ストラクチャーのない釣りにくい河川でもシーバスを手にすることができる。
なお、カモは夜になると見つけにくいので、昼間に確認しておくことをおすすめする。
もちろん、カモを見ただけで釣れるほどシーバスフィッシングは甘くない。こうした自然界のヒントを元にルアーをセレクトし、流れを読み、シーバスに近づいていくのが正解だろう。水温が低下し、釣りにくくなる冬場などではこうした小さな味方が時に大きな釣果をもたらしてくれる。まさに「カモがネギを背負ってやってくる」の言葉通りになるかもしれないのだ。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>