サオの構造の大別は、基本は繊維と樹脂の構造ですが、パイプ状に作られた「チューブラータイプ」と、中身の詰まった無垢の「フルソリッドロッド」があり、市場製品の大半は、チューブラータイプが占めています。しかし、ごく少数のフルソリッドロッドの使い勝手釣り心地の良さは、特筆ものですので、播磨灘での船サオとしてのお話をします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
フルソリッドロッドとは
辞典では、Tubular : チューブ[管]状の Solid : 中空でない、無垢の という形状を表現しています。中空のチューブラは、軽くて手感度が良好ですが、曲がるしなやかさはソリッドに譲ります。
フルソリッドロッドは、バスロッドしての需要や最近ではジギングロッドにもありますが、船サオは数少ない製品でしょう。穂先だけのフルソリではなく、バッドまですべて中身の詰まった製品を使用するようになって4年ほど経過しますが、価値ある性能のサオです。
私のは、サードパーティー製でショップブランドですが、勧められるままに購入して、MH、Hタイプと3本も使用するに至るお気に入りになりました。はっきりとしたデメリットがありますが、それ以上のメリットがあるので、サビキ、チョクリ、のませ等の釣りでは、信頼のサオになりました。
フルソリッドロッドの良さ
チューブラと比較しての相対論かもしれませんが、確かなメリットがあります。この長所がフルソリッドロッドを使う大きな理由です。
しなやかさ
柔らかくしなやかに曲がり弧を描き、喰い込みをはねずに食わせ、引きに対して、穂先とラインが一直線になり負荷が胴に乗っていなし、魚の突っ込みをやわらげます。このサオの曲がりを見ると、ワクワクします。
トルク
ただ柔らかくしなるだけでなく、そのトルクは強く曲がりに耐えて、魚の引きを吸収します。チューブラにはない無垢構造の粘りある性能です。
目感度
はっきりとしたアタリが穂先に出ます。見逃すことがない目感度で、「喰った」が明確です。
フルソリッドロッドの欠点
しかし、デメリットも存在します。
手感度
釣ると一番最初に「うん!?」と感じるのが、アタリが手元に伝わる手感度をサオが吸収してしまい鈍いことです。ゴツゴツやブルブルの感触が鈍く、違和感があるかもしれません。
手感度が鈍くてもサオは反応していて、目感度の穂先は、はっきりと見せます。積極的に合わせる釣りには向かず、一長一短の部分で、喰い込みの良さとの表裏です。
重さ
無垢であるので、その分重量はかさんでいますが、バスロッドではないので船サオにデメリットとなるような気はしませんが、スペックでは差があります。
価格
割高な価格です。リーズナブルな価格のサードパーティーでも、製造過程でのコストをやはり吸収できないようです。