第54回のテーマは「ノルマは48cm超IN片倉ダム」。初日オデコで後がなくなった吉田は、常連の助けを借りて前日の好ポイントに導かれた。するとやはりいる所にはいるものだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
ブイ横のポイントへ
前日のオデコを引きずるほど吉田のメンタルは弱くない。
「あざーっす!」
相変わらず猛暑日予報となった8月22日(火)、吉田はこれっぽっちの疲れも見せずレンタルボート笹川に現れた。
昨日はよく眠れた?
「おかげさまで日帰り温泉で汗を流しキンキンに冷えた缶ビールを流し込んだら、その後の記憶がないほどグッスリ眠れました」
それは何より!
さて今日はどうする? どこか行きたいポイントでもあるかな。
「どうすると言われてもポイントのことは関口さん任せなので」
だよなぁ。そこでなんだけど、今日は何としても釣ってもらいたいわけよ。
「はい」
だからね、知り合いに頼んでおいたよ。
「何をですか?」
昨日、ダムサイトのブイ横周辺で何枚か出ていたのは知ってるよね?
「はい」
そこに入っていた釣友K氏にお願いして、ブイ横のポイントに入らせてもらおうかなって。
「でもほかの人も狙っているのでは」
そうなんだけど昨日オデコだったって話したら常連の多くが「だったら明日は取材のポイントには行かないから、どこに行くかだけでもあらかじめ決めておいてよ」ってことになったんだよね。
「つまりはボクのためってことですか?」
まあ、そういうことだね(笑)。だから何としてでも釣ってもらいたいわけよ。どうする? この話に乗る?
「関口さんにお任せします」
だったら朝の好時合いだけでも昨日釣れたポイントでやらせてもらおうよ。そこで釣れてしまえば、どこか探検に出てもいいし。
「はい。そうさせてください!」
ブイ横で竿21尺の2本
K氏をはじめ多くの常連のご厚意により、無事にダムサイトブイ横2番目に入釣できた吉田。昨日のK氏に習って竿18尺タナ2本をマッシュ系両ダンゴで狙う。
6時20分、エサ打ちを開始するとわずか数投で触りらしき動きが出る。
K氏も話していたが、魚がいる所なら数投で釣れてしまうことも珍しくないとのこと。横目で見ていてもその触りは明らかに本命の動きっぽい。ところが前日の悪夢を引きずっているのか、触りだけで終わってしまい決めアタリが出ない。
前日と同じ轍を踏みたくない吉田は早い段階で見切りを付け、エサや仕掛けはそのまま竿を18尺から21尺へと伸ばす。時刻は7時40分すぎ。
なぜ竿を替えたのか、など野暮なことはこの際聞くまい。とにかく何かを変えたかったのだろう。そしてこれが見事にハマった同48分、触りからひと呼吸おいたあとのズバ消しでついに吉田の竿が大きく弧を描く。