毎年1~2回は三重県志摩市の片田沖へシマアジ狙いで釣行している。今回は台風のウネリで釣りづらく、また、サメとの争奪戦もあり、とにかくしんどい釣りとなったが、その中からシマアジをキャッチできて大満足の釣行となった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・石川友久)
片田沖でシマアジ釣り
シマアジ釣りの魅力は掛かった後の引きが強く、マダイの三段引きよりも激しい。一方口が弱いため口切れを起こしやすく、タモに収まるまで油断できない。
また脂が乗って甘味を感じるその身は、魚の中でもトップクラスだと思う。もちろん自然が相手なので釣れなかったことも多いが、それでも釣りたいと思って釣行するのは、それだけ魅力がある魚だということだ。
台風6号が沖縄付近を迷走していたが、遠く離れた志摩沖でもその影響が出ており、ウネリを伴っていた。私の釣り座はミヨシ。早速サオをセットして準備を始めた。
ウネリがあり釣りづらいが、前日シマアジは上がっているとのこと。4時30分に出船して釣り場へと向かう。確かに波はさほど高くはないが、ウネリで釣りにくそうだ。
本命ヒットもサメ強襲
1投目、オモリを指示ダナまで下ろし、誘いをかけながら上げてくる。するとドスンとシマアジらしき大きなアタリ。いきなりシマアジかとやり取りを開始した直後、さらに猛烈な引きが伝わり、ふっと軽くなった、どうやらサメにハリスごと食われたらしい。
回収すると、2本バリのうち長い方のハリスが営利な刃で切られたように切断されていた。いることは分かった。食わせることもできる。だが引きが強いため簡単には上がってこない。やり取りをしている間にサメに食われてしまう。このやり取りの繰り返しだ。
ふと気づくと額は汗でびっしょり。汗が目に入って目が開けられなくなった。そして暑さとウネリが徐々に効いてきて珍しく船酔いとなった。普段は船酔いしないので、この日も酔い止めは服用していなかった。
なんとか釣りを継続はしていたが、シャクリとか動作がどうしても鈍くなる。しんどい釣りになってしまった。ここで休憩のため、揺れが少ない胴の間へ移動した。
サメとの争奪戦に勝ち抜け
船中でもなかなかシマアジがキャッチできないなか、同船していた釣友が最初にシマアジをキャッチ。この1匹が勇気づけてくれて、ここで釣りに復活した。
この後、シマアジらしきアタリがあり、全速でリールを巻く。「サメに食われるな」と祈るような気持ちで巻くと、水面に魚影が見え、船長がすかさずタモですくってくれた。やっと今年もシマアジをキャッチでき、苦労が報われた感じだ。この1匹が船酔いから解放してくれた。