この日は前日の台風一過、快晴に恵まれた土曜日である。誰もが出かけたくなるような気持ちいい陽気だが、釣りとなると複雑な気持ちがする。大潮満月。バチ抜けのシーバスには最高の潮周りだが、予想されるのは水潮。結果、やはり激ムズに苦しんだ釣行をレポート。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
当日の状況
大阪湾奥、6月3日の釣行だ。満月大潮、台風一過の水潮である。最近の台風なんて、蓋を開けてみればどうってことないみたいなやつも多いのだが、今回は違った。ガチもんの台風で、私の職場などお昼で全員解散。降りしきる雨をさかなに、昼酒を飲んだものである。
さあ、その翌日釣り場に立ってみれば、満月大潮。潮がめちゃくちゃ動くので、朝の潮の上げ下げでゴミが沖に流れていないかと期待したが、うたかた。もう足元はゴミだらけ。草も浮いて笹濁り。おまけに潮がいつも以上にかっ飛んでいる。釣りには大アゲインストだ。
水潮、水潮、水潮――。
LTシーバス釣りスタート
それでもとりあえず釣ってみることだと、LTシーバスからスタートした。メバルタックルにバチ抜けプラグ。サイズは下は40mm、上は70mm。ワームも持ってきた。釣り開始。
だが一投するごとにハリにゴミが付いてしまうのには往生した。そして、まったくといっていいほど魚が反応しない。2時間半格闘するが、シーバスは2バラシに終わる。ちなみに魚が食ってきたのは、最初は40mmプラグと、1.5inch程度のワーム。極小バチパターン。
とにかく浮きゴミの猛攻に終始した。……ファーストヒットはコンドームである。
深夜にメバルに切り替え
この日は幸いあまり風が吹いていなかったので、潮が止まってしまうと浮きゴミもその場に滞留して動かなくなった。こうなると、場所を見れば、メバルの局所打ちができる。
ということで、潮が落ち着いてからキワのメバルに切り替えた。シーバスは見切りだ。ギリギリのタイミングで、ワームに食ってきた。レンジは表層。それから中層以下とレンジが下がっていく、まさしく典型的にプレッシャーがかかった状況。一尾だけ気持ちよく掛かったのは、ボトム上をレンジキープしながら、竿先でフォールを入れたときのガツンとバイト。
これだけダメダメな水潮の海でも、時機を待てば必ず釣果が出る。潮が緩むタイミングまで待ったのも良かった。僭越ながら、粘り負けしない自信があった。というのも、ここ最近の釣行で、どれだけ悪い潮でもメバルは出るという、自分の足で得た情報が心の中に強くあったからだ。そういう意味では、広い海で何よりも頼りになるのは「実績」ともいえよう。