オモリの素材として近年は一般的になってきた「タングステン」。今回はブラックバスフィッシングにおいて「タングステンシンカー」を使用するときのメリットとデメリットや、鉛シンカーとの違いなどを、その使用シーンを交えて解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター盛田亮祐)
タングステンとは
タングステン(W)とは、金(Au)とほぼ同じ比重を有する金属であり、鉄(Fe)の約2.5倍、鉛(Pb)の約1.7倍も重たい金属です。炭素と化合することで、非常に硬くなるという特性があります。融点が高いので加工するのはたいへんな金属ですが、釣具のシンカーとして使用することで様々なメリットがあります。
タングステンシンカーのメリット
タングステンで作られたシンカーのメリットを紹介します。
小さいシルエット
タングステンは鉛の約1.7倍も重たい金属なので、たとえば同じ7gのシンカーを作るにしても、タングステンのほうが遥かに小さいシルエットで成型することが可能となります。小さいシルエットに仕上げることで、空気抵抗や水圧による抵抗が減ります。その結果、キャストの飛距離が伸びて素早くフォールさせることができます。
硬いから感度がよい
タングステンは重たいだけではなく、炭素と化合させることで非常に硬くなります。素材が硬いと、ものと接したときの感度がよく、ボトムの状況や障害物にコンタクトした感覚などを、明確にアングラーに伝えることができます。この感度が高いことで情報量は多くなり、水中をイメージすることが容易になり、より繊細で正確なアプローチが可能となります。
環境負荷が少ない
鉛は水に溶けだすことで、人間のみならずさまざまな生物に悪影響をおよぼす有害な物質です。タングステンは鉛と比べると、環境負荷が少ないと言われています。
タングステンシンカーのデメリット
次にタングステンシンカーのデメリットを紹介します。
金額が高い
あらゆる点で非常に優れた性能のタングステンですが、唯一のデメリットは金額が高いということです。環境負荷が少ない代わりに、お財布への負荷はとんでもないので注意しましょう。