昨年秋の青物シーズンも終わり、ロックフィッシュのハイシーズンも終わり、真冬の間は釣りを休まれる方も多いと思います。そんな中、10年に1度との寒波が和らいだ日、単独でサーフゲーム釣行をして参りました。狙いは海サクラマスに海アメマスです。果たして結果は?
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉浦剛)
サーフで海サクラ&海アメ釣り
海サクラマス、海アメマス共に警戒心がとても強い魚であると個人的に感じております。よって先行者のいるポイントは避けるようにしました。堤防の方がピンポイントで狙えるますが、気温や降雪で足場が凍結等で不安定な場合を想定して、サーフというオープンエリアで釣行することにしました。
当日の天候&海況
釣行当日の正午の気温は-5℃。ロッドのトップガイドが凍結する程の気温でしたが、偏西風で追い風になっていたため、寒さはあまり感じませんでした。当日の水温は約5℃でした。この冬の季節、太平洋側では穏やかな日が多くなります。逆に日本海側は釣り自体が困難になる季節でもあります。
筆者は太平洋側が最寄りの海であるため、恵まれていると感じることが多くあります。当日の風向きも追い風、そして波高も0.5m程で、ウェーダーも不要な程、まるで湖のように穏やかな海況でした。
タックルとルアー
大型になると60cmを越えてパワーファイトになることもありますが、基本的にはライトなシーバスタックルを用いるのが一番手っ取り早いかなと思っております。
ロッドの長さは9ft前後で、リールは3000番前後、ラインはPEライン0.8号前後を用いて20g前後のルアーをフルキャストできればOKです。あくまでも波風穏やかな日を想定してのものになります。
日本海側では荒天時を考慮して60~80g程度のルアーをフルキャストできるショアジギング用の多少ヘビーなタックルが必要になってきますが、今回は割愛させて頂きます。
ルアー
釣行当日持参したルアーは、フローティングミノー×1、シンキングペンシル×1、ジグミノー×1、メタルジグ×2(18g、28g)です。
開始1時間はノーバイト
吸湿発熱素材のインナーや、外気を遮断するアウターを着用し、手足もしっかり防寒できるスタイルで、一投でも多く集中して釣りができるように心掛けました。
それでも1時間が経過して何の反応も得られず、寒さよりも疑問が強まり、しばしタックルボックスを覗いていました。
ラスト1投で52cm海アメマス
選別して持参したものの、それまで使用していなかったルアーを投げ歩くことにしました。半ば諦めて各ルアーのアクションの特徴の確認のような一投一投になっていました。ミノーやメタルジグでは反応が得られず、シンキングペンシルに変え水面直下をデッドスローで巻いてみます。
この昨年から抜群の活躍してくれているルアーを最後にして、ラスト1投で終了にしようと思っていました。ルアーが沖に着水し、すぐに糸フケを取り、リールをゆっくりと巻き取ってすぐのことでした。
ガッ!とした衝撃と共に反射的にロッドを立てると、確かな生命感がありフッキングにも成功、口が割けないようにドラグを緩めながら冷静にやり取りをしました。どこか悶えているような抵抗のある引きは独特で、正体は海アメマスだと確信しました。なかなかの重量感で、スリリングな一時です。
何度か水面から飛び出てきてヒヤリとさせられましたが、無事にキャッチできました。52cmの海アメマス、素晴らしい体高と美しい発色の個体でした。
降雪が激しくなり終了
予報によると潮の状況もしばらく良く、夕マヅメまで粘るのもアリかと考えましたが、魚の持ち帰り処理をしている最中にモサモサと重い雪が降ってきました。
このまま暗くなると元の場所に戻れなくなる危険性があるので、一匹釣れたタイミングで終了とすることにしました。
冬の貴重なターゲット
元々は北海道で盛んな釣りですが、本州最北端の青森県でも味わうことができる海サクラマス、海アメマスの釣り。釣り物の少ない真冬でも楽しめる魚です。味は好みが分かれますが、一般的に海サクラマスの方が美味とされています。そして釣り上げるにも難易度が高いのも海サクラマスとされています。
確かに、海サクラマスはとても美味しく、キャッチ難易度が高い魚です。しかし、海アメマスも下顎が柔らかいためにバレやすく、調理次第ではとても美味であると思っています。この厳冬期の時期はメバルやアイナメ等、ロックフィッシュの存在に隠れがちですが、青森県で陸っぱりから狙える立派な冬のターゲットです。
細く険しい河川から降海してきたのかと考えながら釣り上げ調理していると、どこか感慨深さを感じられる、魅力的な魚。青森にいるタイミングでこの時期を迎えられた筆者にとっては、寒さも吹き飛ぶ貴重な冬の釣りの一つであります。
<杉浦剛/TSURINEWSライター>