皮を気持ちよく剥ぐことができるから『カワハギ』。この名前の由来をなんとなく知っている人は多いかと思いますが、カワハギの皮はどうして簡単に剥がれるのでしょうか。調べてみました。
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これからカワハギの旬
カワハギの旬は2度あると言います。1度目は夏で、身自体が美味しい季節と言われています。
そして2度目は、これから先寒くなってくる秋の終わりごろと言われています。カワハギは寒くなるにつれて肝が大きくなり、最終的には体重の15~20%まで大きくなります。
絶品の肝を醤油に溶いた肝醤油で食べるお刺身は秋冬の風物詩ともいえるでしょう。
カワハギの「皮」に鱗なし
カワハギと言えば、肝以外にも特徴があります。それは名前にも入っている「皮」。一般的なサカナとは異なり、カワハギの鱗は退化し、小さいトゲになり、皮と一体化しています。カワハギは英語で「ヤスリ魚(file fish)」と言いますが、それほどに皮は固く、3日間乾燥させた皮では、わさびもすりおろせるほどだと言います。
サメなども皮でもわさびがすりおろせるため、カワハギの皮もサメ肌と言い例えられることもありますが、サメの場合は楯鱗(じゅんりん)といって一つ一つが分かれています。
同じような触感でもサメとは根本的な構造が異なるため、同じサメ肌とは言えまないでしょう。
皮が簡単に剥がれる理由
カワハギの名前の由来は「皮を剝がないと食べられない」「皮が簡単に剥がれる」などに由来していると言われています。
カワハギは他のサカナに比べて皮が厚く、身も硬いから、剥ごうとしても途中で皮が切れることも、皮に身がつくこともなく一気に剥がれるんです。
ちなみにフグも同じように鱗が無く、調理の際には皮を剥いで調理されています。