大阪湾奥名物といえば、チヌである。チヌ・キビレが全国的にも非常に多い海だ。居着きの魚は食用には適さないが、ゲーム性は高い。私の釣り方は、メバルタックルにバスワームを使用したLTチヌ、ライトブリームである。しかし今夏は苦しんだ。状況を振り返りたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
夏の大阪湾ライトブリーム
夏の大阪湾沿岸のチヌは、いい潮にあたれば2時間で5尾くらい獲れることもある。もっと上手な人なら、10尾も当たり前だと聞く。狙いでやって、まあ釣れないことはない。というのが、多くのチヌ・アングラーの共通認識ではないだろうか?
くわえて、夏のチヌはコンディション抜群だ。一番よくアタる時期だけあって、引きも猛烈である。それをライトタックルで釣るのだから、相対的にもっと激しい引きが楽しめる。ライトブリームは楽しい釣りだ。メバルタックルそのまま、ヘッドとワームだけをブラックバス用にかえる。筆者は二年ほど前から始めて、手応えを感じていた。夏の定番となってきている。
低調だった2022年度
では、今夏のライトブリームはどうだったか?
結論から言うと、この夏はよくなかった。最高28℃くらいと、高水温過ぎることが、やはりその最大の原因だと思う。死んでいる魚を見ると、いかにも酸欠なのだろうという、「死の海」の負のオーラに震える。そして残念ながら、毎回その嫌な予感は的中してしまった。
合計、キビレ5尾くらい、本チヌは2尾だ。途中からそんなに釣りに熱心でなくなったことも一因だが、もう少し数も、何よりサイズも伸ばせたはずだが、中途半端に終わった。
釣り場も関係した?
今季はこれまで億劫がっていた、大阪北港にもよく行った。特に集中的に釣ったのは、夢舞大橋下。ここの足元にチヌが着いているのだが、堤防が凸凹していて、また水深も5mくらいとそこそこある。掛けても上げきれず、根に巻かれて、一尾も上げられなかった。この釣り場に執着したのもよくなかったかもしれない。
南港の方がどちらかといえば、地形が単純で、足元への突っ込みはかわしやすいイメージがある。大阪市内でLTチヌならば、南港の方がいいかもしれない。
「ハゼパターン」が微妙?
釣り場でチニングアングラーと談笑していると、「小魚イミテートのワームを使っているのって珍しいですね」といわれた。また「本チヌはワーム食うイメージないですけど」と首を傾げられた。ハードルアーの方が圧倒的に本チヌが増えるらしい。はあ、そうですか。
さらに聞いた話では、「バスワームに食うときにはハゼパターンが多い」とのことだ。どうやら今期はハゼクラ(ハゼを小さなクランクベイトで釣るゲーム)もよくないらしく、ハゼがそもそも少ないのかもしれない。
確かに一度だけキビレが爆アタリした日は、すべてバグ系のワームだった。
そして本チヌはマイクロメタルで獲った。なるほど。キビレがワーム、本チヌがハードルアーの法則にあてはまる。来季からはそのへんもフィードバックしたい。ただ、私としては圧倒的な実績のある2inchワームを優先して使ってしまう気がするのだが……。