これから梅雨前線が日本列島に停滞し、例によって長雨の時期がやってくることになります。雨が降るのは、たとえば農作物には良いことですが、釣り人にとっては心楽しいものではありません。今回は梅雨時の釣行について、雨の降り方別に立ち回りを考えましょう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
梅雨の時期の釣り
地域によって異なりますが、6月半ばから7月半ばまで梅雨の時期です。しとしと降る雨の中のあじさいやかたつむりといった風物詩が目に浮かびますね。蒸し暑い季節でもあります。ちなみに、北の大地の北海道には梅雨がありません。南の海の沖縄にはスギ花粉がないそうで、花粉症に困っている人がそんな理由で移住してくることもあるそうですが、まあ、それはそれとして、話を元に戻しましょう。
梅雨の釣りは、行くか、行くまいか、判断が微妙です。その日の釣行時刻にパラパラ降る程度ならばほとんど問題になりませんが、一見空は晴天でも侮れないのが「水潮」です。水潮とは、降り続いた雨の真水が比重の重い海水の上に重なり、層になった状態。真水を嫌う海の魚が、ほとんどまったく釣れなくなる、釣り人にとってもイヤ~な潮の状態です。
雨の様子を見ながら、そして前日までの状態を見ながら、潮回りも見ながら、とチェックする部分が多くなる梅雨の釣り。出陣すべきかどうかは、どう判断すればいいのでしょう?
釣行できる2つの条件
まずは、梅雨の海でも釣行できる2つの条件を挙げていきます。
OK:小雨
その日だけパラパラ小雨。これくらいならば、釣りにはほぼ支障がありません。メバルやカサゴ(または豆アジ)といった小魚は、多少の雨はむしろプラス要素ともなります。小雨パターンといって、雨によって海中が微妙に刺激されるせいか(?)、プランクトンが増殖して、食いが立つことがあるのです。
ただショアジギングなど、メタルジグを使う釣りでは、小雨はちょっとキツいかも。曇天の空では海中に光量が少ないので、メタルジグのアピール力が減ってしまいます。バチ抜けシーバスも同様、光量が少ない海では、バチが抜けないために釣れにくい傾向にあります。
OK:晴れ
もっとも望ましいのは、長雨のあいだ、数日の晴天に恵まれた、潮回りのいい日です。雨の影響(真水の層)が抜けると、魚も積極的に捕食します。気持ちよく釣りができますね。
釣行できない2つの条件
次に、梅雨時に釣行に適さない2つの条件を挙げていきます。
NG:水潮
上述のように、雨が降り続けた海は、水潮状態となります。一般に言われるのは、一昼夜降り続ける雨が、2日以上続いた日の後です。こうなると一日、水潮の影響が抜けません。
水潮の海は本当に苦戦します。「大丈夫そうかな」と思う日も、やはり控えるべきと私は忠告しておきたいです。ただ、限定的に――1日くらいの雨で、次の日の早朝、大潮で水がすっかりと入れ替わったら、夕方からは釣りになるかもしれません。
NG:ザーザー降り
見るからにザーザー降り。篠つく雨の日の釣行は控えましょう。釣れないし危険です。