盛期を迎えている静岡県御前崎沖にある金洲のコマセ五目釣り。ターゲットは特大イサキのほか、ウメイロやシマアジなどゴージャスな魚が名を連ねる。今回、この釣りのだいご味や要点とともに、6月2日にオーナーばりの今永さん、西馬さんと訪れた実釣の様子をリポートしたい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井)
金洲のコマセ釣り
静岡県御前崎の南東約20海里に位置する金洲。大型のカンパチやクエ、オオカミ級のシマアジが生息し、カツオやキハダの群れも着く。そんな生態系豊かな場所なので、五目釣りと言っても近海のそれとは一線を画する。
当海域の釣りではイサキなどの中型魚から、シマアジやマダイまで同じ仕掛けで狙うため、ハリスは5~8号と太い。「イサキがそんな太ハリスに食うのか?」と思う人もいるかもしれないが、食ってしまうどころか爆釣してしまう。
なお、仕掛けは全長3m前後、2~3本バリの吹き流し。100号のオモリが着いたコマセカゴ(ビシ)、アーム長50~60cmのテンビンを使用する。
急潮下ならではの釣り方
コマセ釣りで狙うのは主に水深数十m台だが、潮流が3~4ktと非常に速い日もある。このような場合、船頭の合図で一斉に投入を行うことが必要となる。また、仕掛けを海中で何度も上昇、下降させたり、下層で漫然と留めたりしていると、流されてオマツリしてしまう。
このため、当海域で主に用いられる釣り方は「指示ダナの範囲の最下部まで仕掛けを下ろし、コマセを振り出しながら指示ダナの頂点まで探り上げる」という手法。具体的には、「40~50mをやってください」と船頭が唱えたら、50mまで仕掛けを下ろし、40mをゴール地点として探り上げていく。
数伸ばすなら一荷を狙おう
急潮下で再投入のタイミングが限られるなら、1回の投入を大切にしたい。相手が中型魚なら、なるべく一荷以上で釣り上げたほうが数は伸びる。食わせたら指示ダナの頂点までゆっくり巻き上げ、追い食い後は迅速に取り込むのが理想だ。
なお、条件があまりにタフだと、オマツリを避けるためには再投入が困難な場合もあるのでなおさらだ。
強いタックルと仕掛けが重要
五目と言えど、大型魚も食ってくる。それでいて、速い潮、周囲には長い仕掛けといった障害があるため、なるべく迅速にファイトを終えなければならない。また、取り込み時は仕掛けも手繰るため、強い仕掛けが好ましい。
以上を勘案すると
・仕掛けは強度に余裕があり、追い食いを掛けやすい鋭いハリを使用したもの
・サオは追加のアタリを乗せやすくバラシにくい胴調子(6:4調子)
・魚の重さに負けず、腰の強い(バットパワーのある)サオ
が、この海域のコマセ釣りでアドバンテージを得るために必要なツールだ。