大阪湾沿岸では今年、春アジの魚影が薄い。あまり良くない。居着きしか食ってこない。回遊がない。もともと難しい時期ではあるのだが、釣果を捻り出すためのコツを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
春アジがハードモード
一言でいえばハードモードである。しかし攻略不可能なほどではない。薄いが魚はいる。
難しいのはセグロの回遊がないことだ。セグロとは回遊性の高いアジのことで、春アジの産卵前の荒食いパターンの主役である。こいつらのショアへの回遊はある・なしは露骨なほどはっきりしていて、筆者は約2ヶ月間見張ってみたが、今のところ、ない。
よって釣れるのは居着きだけなのだが、居着きのアジはよほど条件が整っていないと密度が薄いし、警戒心もそこそこ高い。海水温が一定以上あれば、そうは言っても食ってくるのだが、この時期は産卵に絡んだ二つの理由で魚が釣れにくい。
居着きをどう釣るか
黄味がかった体色が特徴の居着きのアジは、居着きというからにはそんなに動かない。よって通年アジングのターゲットになっており、そもそもワームやイトを見切りやすい。
ただ食性に合わせたアミパターンの釣り方をすれば、攻略の糸口を見つけることはできる。アーバンアジングというと、今はほとんど回遊待ちより居着きのアジをどう釣るか、だ。
居着きの産卵はナイーブ
この居着きのアジ、春の産卵に関してはナイーブである。産卵前にもそこそこ荒食いをするのだが、セグロみたいに時合いで食わない(時合いはセグロにエサを奪われる)。夜が暮れてから常夜灯下などでプランクトンの捕食を始める。植物性プランクトンの光合成や潮に漂ってしっかりとプランクトンがわくまでアジは動かない。持久戦になる。そう、まず食いが立つのが遅いのだ。
そこへ時合いから何度もワームを見せたりイト鳴りを響かせたりしていると、プレッシャーがかかる。バラしでもやろうものならば、スレたおして最悪だ。
アフターはもっと食わない
この見極めも難しいのだが、産卵前はよく食うが、産卵後のアジは体力を失いほとんど食わなくなる。海から姿を消したのかと思うほど魚の反応がなくなる。小さめのワームを使うことがコツだが、それでも食わない日はまったくだめだ。
「プランクトンパターン」に照準
以上二つ、春アジの厄介な要素がある。しかし、今年の大阪湾の春アジでは、攻略の方法として、ひとつだけ言えることがある。それは、「間違いなくプランクトンパターン」ということ。2g級の重いリグをしゃんしゃん動かしてバイトを待つフォールの釣りには反応しない。0.8gや1gの軽量リグをゆっくりと見せてやることが、どれだけ焦れても釣果に繋がる。
あまり釣れていない筆者が言うのも何だが、今年の春アジは中層のわりと深いところが多いような気がする。静穏な海で5mの水深なら1gで10~13カウントにリグを漂わせる。