冬が旬のタラ漁が本格化 「親子」一緒に食べるとさらに美味しい?

冬が旬のタラ漁が本格化 「親子」一緒に食べるとさらに美味しい?

身は鍋や汁物で、卵は生食や煮付けでいずれも珍重されるタラ。しかし実は、その2つを一緒に食べるともっと美味しいということをご存知でしょうか?

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タラ漁がシーズンイン

本州日本海沿岸で最大の半島であり、日本海に向かって大きく突き出す石川県の能登半島。その先端外側にある輪島市で、冬の風物詩である「タラ漁」が先月10日に解禁されました。

冬が旬のタラ漁が本格化 「親子」一緒に食べるとさらに美味しい?水揚げされたタラ(提供:PhotoAC)

解禁後最初の数日はシケのため出漁できなかったそうですが、16日から無事に漁が始まり、17日には初水揚げとなりました。初水揚げは合わせて2tほどとなっており、これは例年並みのスタートだそうです。

水揚げされたタラは県内のスーパーなどの店頭に並んび、シーズンの開幕を待ちわびた人たちが次々と買っていったといいます。輪島港でのタラ漁は来年2月10日まで続きます。

冬の和食に欠かせないタラ

鍋物や汁物で美味しく、我が国の冬の食卓に欠かせない存在であるタラ。日本周辺に生息しているタラの仲間はいずれもいわゆる「深海魚」で、基本的に200m前後より深い場所に生息しています。

タラ類は冷水域を好む魚のため、我が国では北日本での漁獲がほとんどとなっています。マダラとスケトウダラ、コマイの3種が水揚げされていますが、このうち一番大きいものがマダラ。1mを超える大型魚で、とくに白子(精巣)の価値が高くなっています。

冬が旬のタラ漁が本格化 「親子」一緒に食べるとさらに美味しい?タラの白子はごちそう(提供:PhotoAC)

続いて大きいのがスケトウダラで、60cmほどのサイズで白子は廉価品ですが、卵巣はマダラよりも柔らかく美味で、たらこや明太子の原料となります。もう一種のコマイは主に北海道で漁獲される小型のタラで、干物で流通し、酒の肴として広く親しまれています。

「親子で食べる」のが一番美味い

上記の輪島ではこのうち「マダラ」の漁が行われており、ブランド化が企図されています。大型で質の良いものが獲れたら、漁師が船上で活け締めを行い、1本ずつ氷で冷やして出荷されます。

そのように処理されたものは生食も可能になります。タラは身に水分が多く、鮮度落ちが非常に激しい為、生食可能なものが流通することは多くはありません。しかし生のタラは旨味が強く、刺身で食べると非常に美味しいため、生食可能なタラは珍重され、高値がつくのです。

冬が旬のタラ漁が本格化 「親子」一緒に食べるとさらに美味しい?タラの「子つけ」(提供:PhotoAC)

石川や富山では、加熱してほぐした卵巣をタラの刺身にまぶした「子つけ」という食べ方が愛されています。タンパクな刺身に卵のコクが合わさり非常に美味しい食べ方で、これ目当てに両県に向かう観光客も少なくないようです。産地ならではの贅沢な食べ方と言えるでしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>