新型コロナウイルスによって苦境に立たされる地方経済。その中には、釣りに関する事業も当然含まれています。環境省がこれらの事業への支援を行なっていることは意外と知られていません。今回は、実際にこの取り組みに認定されている『LODGE MONDO』(ロッジモンド)さんを取材しました。
(アイキャッチ画像提供:LODGE MONDO)
国立・国定公園への誘客の推進事業
「国立・国定公園への誘客の推進事業」とは、新型コロナウイルス感染拡大により苦しむ地方経済に対して、環境省が行なっている支援事業のこと。具体的には、国立・国定公園及び国民保養温泉地における誘客やワーケーションの推進の支援を通じて、新型コロナウイルスの流行の収束までの間の地域の雇用の維持・確保等を意図しているようです。(参考:令和2年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業費及び国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進事業費の間接補助事業の公募について)
釣りは三密になりづらい趣味として、新たに始められる方が多いのも事実ですが、釣りに関するサービス展開を行なっている地方事業者へその恩恵が行き渡っているかというと、また別の話のようです。同推進事業の支援も活用し、カヤックフィッシングツアーを展開している『LODGE MONDO』(ロッジモンド)さんを取材しました。
事業認定された『LODGE MONDO』
環境省が行う同事業に令和2年度3年度と連続で認定された「カヤックフィッシングツアー」を運用しているのが、西伊豆にある『LODGE MONDO』さん。元々はマウンテンバイクのツアーから始まり、宿泊施設の開業やカヤックフィッシングツアー提供と幅広く観光事業を展開されています。
また、森林整備事業で伐採した地元の木材を使って施設をセルフリノベーションするなど、地元の資源を活用した持続可能な事業も展開。今回は運営元である株式会社ベーストレス代表取締役の松本潤一郎さんにお話を伺いました。
新型コロナの影響について
まずは、2020年から本格化した新型コロナウイルス感染拡大の影響について聞きました。
新型コロナでどんな影響が?
2020年は休業要請や度重なる緊急事態宣言で売上自体は半減しましたが、その期間にカヤックフィッシングツアーをはじめ、コロナ禍だからこそ求められている自然環境を体験するサービスの準備に専念して来ました。
前進のきっかけにも
上記の準備が功を奏したのか、2021年の収益はコロナ禍がはじまる2019年を上回る予想です。ロッジモンドの宿泊と連動してカヤックフィッシングやマウンテンバイクのアクティビティの集客も伸びています。特にマウンテンバイクに関しては電動アシストが付いたe-MTBを導入したことで、参加される方の間口を広げることができるようになりました。
また、こういったアクティビティを提供することによって、ロッジモンドそのものも自然に近い宿という認知もできるようになり、宿泊予約も増加しています。
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