新型コロナウイルスによって苦境に立たされる地方経済。その中には、釣りに関する事業も当然含まれています。環境省がこれらの事業への支援を行なっていることは意外と知られていません。今回は、実際にこの取り組みに認定されている『LODGE MONDO』(ロッジモンド)さんを取材しました。
(アイキャッチ画像提供:LODGE MONDO)
「国立・国定公園への誘客の推進事業」について
新型コロナの苦境をチャンスに変えるべく前向きな動きをされたロッジモンドさんですが、その動きを支えた「国立・国定公園への誘客の推進事業」について聞いてみました。
同事業のイメージは?
初めて知った時は、まるで自分たちのためにつくられた事業だと思いました(笑)。もともと自力で取り組んでいたことを国が後押ししてくれるような形だったので、すぐに応募書類を作成しました。
認定を受けた事業は?
実は、ちょっと分かりづらいのですが、連動して公募された2つの支援事業に各サービスが認定されています。
ひとつは、カヤックフィッシングツアー、e-MTBツアー、森の焚き火とハイクツアーなどの各アクティビティが対象となっている『国立・国定公園、誘客の推進事業』。もうひとつは、『国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進事業』。こちらは宿泊施設のロッジモンドとアクティビティツアーを連動させたワーケーション、リモートワークの推進などが対象となります。
申請で苦労された点は?
環境省に提出するための資料や書類が膨大で、通常の業務をこなしながらの事務仕事が大変でした。
助成金の用途を教えてください
フィッシングカヤックやe-MTBなどの購入費用やそれにかかわる消耗品のほか、ウェブ制作やプロモーションビデオの制作費や紐づく人件費などがメインになります。
今後について
行政の支援事業を活用し、新たな展開をスタート。先行き不明瞭なコロナ禍の中で大きな不安を抱えながらのチャレンジあったことは間違い無いでしょう。その中でもしっかりと前を見据えて歩いている背景には、西伊豆という地域への強い想いがあるような気がしてなりません。最後に、今後行政に期待することについて聞いてみました。
自然相手の観光事業への行政支援について
自然相手のアクティビティは、当たり前ですがそこに「自然」があって初めて成立します。事業を続けることが自然環境破壊につながってはいけません。「持続可能な事業」という視点での支援が、今後は重要でないかと考えます。具体的には、太陽光や薪ボイラーなどを利用した自然エネルギー発電システムの支援や電動自動車の導入支援さらに、ソーラー船・水素エンジン船の導入支援などでしょうか。
釣り人だからこその視点
新型コロナの影響で釣りをする人口は増えています。また、今回の環境省の例だけでなく、地方自治体も「釣り」を観光資源としてPRに積極的に活用しようとする事例も散見されるようになりました。釣りをすることが、自然環境に意識を向けるきっかけ、はたまたよく行く釣り場がある地域自体へ目を向けるきっかけになったら、今よりもほんのちょっと素敵な未来につながる気がしませんか?
<小菊/TSURINEWS編集部>