磯釣りは危険と隣り合わせのレジャーである。ただし、ダイナミックな磯場での魚との駆け引きは魅力いっぱい。そんな磯釣りで必携となる装備品を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)
磯釣りの重要5アイテム
侵攻するコロナ禍の状況下、「三密」を避けたホビーの一つとして、密かな流行を見せいるのがフィッシングライフである。週末ともなると近場の波止には家族連れ、カップルなどの釣り人が増えたように感じているのは私だけだろうか。
そこで今回は、年末年始にかけて「磯釣りでも始めようかなあ」と思っているビギナーに特化して、「安全に釣りを楽しむための5つの基本アイテム選択法」について紹介したいと思う。一言で磯釣りと言っても、磯には足場の良い場所もあれば、ガタガタで足の置き場もないような狭い磯など、常に危険と背中合わせの遊び場とも言える。
したがって、磯釣りで要求される服装や装備は、機能的でかつ動きやすく、デザイン性にも配慮した製品を選んでもらい、安全面を第一義に考えた前準備を行っておくことが大切だ。そこでまずは磯釣りに出掛ける時に必要な装備品について個々に説明していこう。
1. ライフベスト
ライフベストは磯靴と並んで、磯釣りではなくてはならない、まさしく命をつなぐアイテムと言っても過言ではない。規則的に定められた安全基準の浮力は真水につけて24時間後、7.5kg以上の浮力があれば良いとされている。
使用されている浮力材としては発泡ポリエチレンが耐久性、浮力の持続時間から見てベストである。
最近では自動膨張式ライフジャケットとして、肩掛けタイプやベルトタイプが販売されているが、このタイプはバックル式の股ヒモがなく、磯釣りのような岩場や岩礁帯には不向きと言える。いざと言う時の安全面を考慮した時には胸部、背面まで浮力材で覆われたライフベストを選択することが懸命だ。
ライフベストの着用に当たっては、股ヒモはきっちりと止めて、前のファスナーは上まで完全に締める。これは磯釣りを始める前の最も初歩的だが重要なことであるので必ず実践してもらいたい。
2. 磯ブーツ・磯グツ
磯の事故やケガで最も多い原因の一つが、足元に関することではないだろうか。切り立った岩場や滑りやすい磯に踏ん張って、座ったり立ったり中腰になったり…、あるいは前後左右に移動したりを繰り返す磯釣りでは、つまずいて転んだり、身体の一部をぶつけたりすることが多々ある。このような事故から身を守ってくれるアイテムが磯ブーツや磯グツだ。
磯ブーツにはまず、滑りを止めるため、ソールにスパイク(ピン)を使用したもの、フェルトソールやフェルトスパイクソールと呼ばれる素材を用いたものなど、大きく分けると3つのソールに分類される。最近ではフェルトとスパイクの両方の機能が加味されたソールである、フェルトスパイクが組み込まれたブーツ派が多いようである。
いずれにしろ、スパイク、フェルトにはそれぞれの特性があり、選ぶ際には釣行予定の磯場の形状や岩質を参考に、販売店のスタッフにどのタイプ選べば良いか相談してみるのも一つの方法だろう。
また、一日中、起伏の多い磯の上で釣りをする以上、どうしても足元が疲れてくるので、磯グツや磯ブーツを選ぶ際の条件の一つとして、必ず自分の足にフィットしてできるだけ軽いものを購入することが大切だ。
3. 帽子(キャップ)
帽子、キャップは釣りシーン以外でも、カジュアルやスポーツ一般など様々な状況で使用する身近なアイテムである。
釣りにおけるキャップの果たす役割はそれなりの意味を持っており、特に前面に突きだした大きめのツバによって、直射日光や雨粒などから顔を守ってくれたり、岩などに頭をぶつけた場合のショックを和らげてくれ、他人や自分の振り出したハリが刺さらないように頭部をしっかりとガードしてくれるなど、磯釣りをする上では必ずかぶっておきたいアイテムなのだ。
最近では季節に応じた素材を用いた様々なキャップが販売されているが、特に釣り具メーカーなどからは、ゴアテックスやエントラントと言った防水透湿加工が施されたオシャレなキャップが数多く販売されているので、自分に合ったお好きなものを選択すると良いだろう。
4. 偏光グラス
磯のフカセ釣りにおいて必須アイテムの一つが偏光グラスだ。サングラスの内部に偏光フィルムを張り付けて作られたもので、水面のギラギラを消す役割を果たし、海中の様子や魚の動き、ウキのトップなどが見えやすくなる万能アイテムである。
偏光グラスにはミラータイプや赤強調タイプ、光の強さに応じて色が変化する調光タイプなど様々な種類のものが販売されているが、価格も数千円から数万円もするものまで揃っているので、直接、販売店に出掛けて自分に合ったものを購入すると良いだろう。
偏光グラスは「太陽光から目を守るために絶対に掛けた方が良い」と眼科でも言われたことがある。自分が思っている以上に太陽光が及ぼす目への刺激は強いとのことなので、ぜひとも必携アイテムとして準備しておこう。