釣りで人気のタチウオは、脂乗りのいい旨味のある白身を持ち、食べて非常に美味しい魚です。今回は、そんなタチウオを使った料理レシピを紹介。釣りの際に食べ方に困る小型タチウオ向けのレシピや、タチウオを普段から食べまくっているTSURINEWSライターのアレンジレシピも満載です。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・出口和弘)
タチウオは美味しい魚
タチウオは強面な顔と銀色に光る細長い魚体と独特な見た目ですが、とてもおいしい魚です。以前は水揚げの多い西日本で人気の魚でしたが、近年は東日本でも生息数が増えており釣魚としても食用魚としても評価が高まってきています。
身質は旨味のある白身で、脂の乗りもよく、特に大型個体はたっぷりと脂が乗っています。クセもないので食べ方も豊富で、刺身にしても、火を通しても美味しく食べられる魚です。また、サバの近縁種のため白身魚ではありますがDHAやEPAといった脂肪酸も豊富に含んでいるのが特徴です。
タチウオの旬
旬は産卵前の夏や、脂の乗りやすい冬など色々な意見がありますが、産卵直後でも脂が抜けきらず味が落ちない魚なので通年おいしく食べることができます。
タチウオの目利き
スーパーで購入する際、鮮度の良し悪しは比較的わかりやすい魚で、魚体の銀色が輝いてるものが新鮮です。やや水分の多い魚なので身の劣化も速く、鮮度が落ちたタチウオは銀皮に含まれるグアニンで中毒になることがあります。刺し身で食べる場合は特に新鮮なものを選びましょう。
タチウオのさばき方
ウロコがない魚なのでさばき方は非常に簡単。まずは頭を落として内蔵を取りましょう。背ビレも付け根のヒレ骨が鋭いので外しておくといいです。まず身の両側から背ビレに沿って浅くV字型に包丁を入れておきます。こうしておくと背ビレを持って引っ張るだけで簡単に背ビレを外すことができます。
そこまで下処理をすれば、焼き物にする場合、基本的には使う大きさに合わせてぶつ切りにすればOK。刺身や身が厚い大型個体の場合は三枚におろしましょう。細長い魚で一気に全身をおろすのはなかなか難しいので、ある程度の長さにぶつ切りにして三枚におろすと簡単です。
さばく際の注意点としては歯が鋭いので頭を落とすときなどに怪我しないように気を付けましょう。釣り上げた際に歯の部分をハサミで切り落としておくと安全です。
タチウオのおすすめレシピ17選
それではタチウオのおすすめの食べ方を紹介していきます。
タチウオの刺し身
タチウオは皮が薄いので大型以外は皮が引きにくい魚。そのため、三枚おろしの状態で皮目に切れ目を入れておき、皮ごと刺身にします。ただし、大きいタチウオは皮も硬くなってくるので、鮮度のいいうちに皮を剥いでおくといいでしょう。あとは食べやすい大きさに切れば完成です。
やや水分が多い魚なので、三枚おろしの状態で脱水シート、キッチンペーパーなどで水分を抜くのも旨味が凝縮しおいしくなります。空気に触れないように密封して冷蔵庫に入れ、脱水シートなら数時間~半日ほど、キッチンペーパーなら毎日ペーパーを交換しながら数日寝かせましょう。
タチウオの炙り
皮目には脂も多いので、表面を家庭用のバーナーで炙ってもおいしいです。皮目が香ばしくなるので、刺身とはまた違った味わいになります。
タチウオの昆布締め
昆布で締めても水分が抜け、昆布の旨味が身に移ることでもおいしくなります。三枚おろしにしたタチウオの水気を拭いたら、酒で濡らした昆布に包み、空気に触れないように密封して冷蔵庫へ。寝かせる時間は好みにもよりますが3時間程度から半日ぐらいがおいしいです。
タチウオの梅肉和え
梅肉和えは梅干しの酸味でさっぱりと食べられる刺身のアレンジレシピ。3枚におろしたあとは刺身の要領で細めに斜め切り。梅干しは種を取り、少し砂糖を加えて包丁で軽くたたきます。あとは刺身と和えればできあがり。刻んだネギや青ジソをのせるのもいいでしょう。
タチウオの酢の物
水気を取ったタチウオの身を適当な大きさに切り、酢3:砂糖2:醤油1の割合(好みで調整)の三杯酢に漬け込みます。漬け込み時間は2時間前後が基準。浅く漬ける方が歯ごたえがあって味もフレッシュ、少し時間をおくと身に含まれる脂質やうまみがじわじわと三杯酢と融合し、深みのある味になります。
タチウオのソテー
三枚おろしにして15cmぐらいに切り、ガーリックソルト(または塩コショウ)を両面に振って小麦粉を両面にまぶしたら、温めたフライパンにオリーブオイルを入れて両面を焼きます。
皮を焼くと盛り上がるので、フライ返しなどで押さえます。お好みの野菜などと一緒に盛り付ければ完成。
タチウオ串
小型のタチウオや尻尾の細い部分はロール状にすると食べごたえが出て使いやすいです。三枚におろしたら、太い場合は適当な細さに切り、頭の側からくるくると巻いて竹串などに刺していきます。長さや太さが足らない場合は、2重にして巻けば大きさを調整可能です。串のまま保冷バッグなどにいれ冷凍できるのも嬉しいポイント。普段のおでんや鍋の具材にしてもおいしく、ソテー、焼き物などにも使えます。
タチウオのロール焼き
串同様にロール状にして焼くレシピです。三枚におろした細いタチウオの皮目に斜めに隠し包丁を入れて、身に軽く塩コショウして、さらに小麦粉を振ります。
頭の側から巻いて、つまようじで尾側の巻き終わりを止め、表面にガーリックソルト(塩コショウ)と多めの小麦粉をしっかりまぶしフライパンで焼きます。タチウオの半分が隠れる多めの油で中火でじっくり両面を焼き、キャベツの千切りなどの上に盛り付ければ完成です。
タチウオのフライ
三枚におろして、7cmぐらいに切ったタチウオに小麦粉をまぶします。溶き卵に浸けてからパン粉をまぶして、180度ぐらいの油で揚げましょう。お好みでタルタルソースなどを付けて食べるとおいしいです。
タチウオの唐揚げ
唐揚げもビールのつまみにもぴったりでおいしい食べ方です。中型以上ならフライ同様3枚におろしますが、小型なら骨ごと揚げて食べることができます。おいしくするコツは片面だけでも骨切りすること。骨切りすることで小骨が気にならず食感がよくなります。要領は2~3mm幅で包丁を入れ、中骨まで当てながら、「ジッジッ」と切っていきましょう。
適当な大きさに切ったら、片栗粉をまぶし、油で揚げます。温度は170℃くらいでスタートし、気泡が落ち着けば150℃に。その後、気泡が小さくなるまで、じっくり揚げればできあがり。味付けは塩コショウで、温かいうちに振っておくとまんべんなく味が染み込むのでおすすめです。
タチウオの骨せんべい
三枚おろしの際に出る骨も、骨せんべいにすることで余さず食べることができます。骨は5~6cmに出刃包丁でたたき切り、190度の揚げ油で二度揚げ。仕上げに塩を少しかけて完成です。
タチウオのふわふわ煮
ハモの湯引きのような食感がおいしいのが「タチウオのふわふわ煮」。ロール状にして茹でるので細い部分や小型のタチウオにも最適です。まずは3枚におろしたタチウオを皮目を下にしてまな板に置き、骨切りのような要領で2~3mm幅で切り目を入れます。
切り目を入れ終わったら5~6cm幅に切り、皮目を内側にして巻き、ようじで留めます。そのあと鍋に移して出汁で煮ていきましょう。割り下は水8、薄口しょう油1、みりん1。これを鍋に加えて、魚と一緒に火にかけます。
できあがりのタイミングは「ひと煮立ち」。ここで火を止めれば、ふわふわな食感に。あまり煮込むと魚の身が硬くなるので注意しましょう。
タチウオのひつまぶし(蒲焼)
タチウオをうなぎのひつまぶしのように蒲焼にしてご飯に乗せたレシピ。まずはタチウオの蒲焼から。3枚におろしたタチウオに小麦粉をまぶして余分な粉を落とします。油をひいたフライパンにタチウオを入れ中火で両面に焼き目をつけましょう。焼いている間に醤油大さじ2、砂糖大さじ1.5、酒大さじ1、みりん大さじ1のタレを合わせておきます。
タチウオに焼き目がついたら一旦取り出し油を切り、弱火にして合わせておいたタレとタチウオを絡めます。焼き目がつくまで焼いたらタチウオの蒲焼きが完成。
ご飯にタチウオの蒲焼きを乗せて食べもおいしいですが。ネギ、白ごま、海苔などを乗せ昆布出汁をかけてひつまぶしのようにするのもおすすめです。夏バテや食欲不振の時にもおすすめで、さらさらと食べられます。
タチウオの柚庵焼き
シンプルな塩焼きもおいしいですが、「柚庵だれ」に漬け込んでから焼くと上品な味わいになります。塩焼きの場合は、おろさなくてもいいですが、柚庵焼きの場合はタレに漬け込むので三枚おろしにしましょう。
「柚庵だれ」のレシピは酒1:味醂1:醤油1が基本。そこにタチウオとユズ(柚)やカボス、みかんなどの柑橘類を一緒に2~3時間ほど漬け込みます。焼く時はグリルに入れて遠火(火加減小)で、ゆっくり焼き上げましょう。ほんのり焦げ目が付けば完成です。
タチウオの干物(みりん干し)
大量に釣れた際は、干物にすると長期保存が利きます。タチウオ4匹当たり、塩が大さじ4、漬けダレはみりんがカップ4分の3、しょうゆがカップ4分の1、砂糖が大さじ1。1時間程度漬け込んで、干し網ネットで1~2日乾燥させます。みりんの香ばしい味わいによって、ご飯との相性も抜群の一品です。
タチウオの干物(塩干し)
パッドに10%ほどの塩水を作って10~20分程度漬け込み、網ネットや冷蔵庫で一晩ほど乾燥させます。
卵(卵巣)の干物
産卵期は卵も楽しむことができます。取り出した卵に少量の塩をまぶし、5分ほど置いて水分をキッチンペーパーで取ります。細かい目の網で2~3時間干して、アルミホイルに乗せて、魚グリルで焼く。
<TSURINEWS編集部>