手軽に楽しめて、釣りのターゲットとして非常に身近な存在のハゼ。今回の記事ではそんなハゼの生態をヒントに時期・時間・場所など、どんな条件が釣れやすいのかをまとめました。また、仕掛けごとの釣り方や釣果アップのコツまで、初心者から上級者まで役に立つハゼ釣りの総合的な情報記事となっています。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
ハゼの生態
ハゼにも様々な種類がいますが、一般的なハゼ釣りのメインターゲットはマハゼになります。マハゼは内湾や汽水域に生息している底生魚で、一年サイクルで一生を終える「一年魚」としても知られています。
基本の産卵期は冬から春頃(夏や秋に産卵を行う個体も存在)となり、冬に生まれた稚魚は甲殻類の幼生などプランクトンを食べて春には1~2cm程に成長。その後、ゴカイ類なども食べるようになると成長曲線はより大きくなり、初夏には5~7cm程、秋には10cm以上となって釣りで狙いやすいサイズに成長します。冬には15cmほどになり深場に移動して産卵を行い一生を終えます。
ハゼ釣りの時期
一年サイクルで住む場所や体長が変わってくるため、時期によって釣りでの狙い方も変わってきます。四季ごとに狙い方を紹介します。
春は大型狙い
春は稚魚はまだ狙えるサイズではなく、「ヒネハゼ」とも言われる大型のハゼを狙う季節です。このヒネハゼは前年の夏など遅くに生まれ、成熟が間に合わなくて産卵を行わずに越冬した個体などと言われています。
寿命は翌春の産卵期までの2年になり、サイズは最大で25cmにもなります。水温の関係もあり深場にいることが多いため、水深のある釣り場で遠投できる仕掛けかボートに乗って狙うのがいいでしょう。
夏からシーズンイン
6~7月頃には5cm~7cmほどの「デキハゼ」と呼ばれるサイズに成長します。このデキハゼはごく浅い場所に群れており、警戒心も薄いので釣りやすく、小型ですが初心者の人にも狙いやすい季節です。
その後8月頃になると10cmクラスもちらほらと見かけるようになります。浅場で狙える季節のため、のべ竿でのウキ釣りやミャク釣りで狙うといいでしょう。
秋は成長した個体を狙える
秋に入ると10cm以上に成長したハゼを主体に狙えるようになります。初秋は浅場でも狙えますが、夏と同じポイントでも2~3m程度の水深がある場所に生息する個体が増え、水温低下とともにさらに船道などの深場へと移動していきます。
秋が深まるとのべ竿では狙いにくくなり、リールを使った「ちょい投げ釣り」や、ボートでのハゼ釣りが有利になります。
冬は落ちハゼシーズン
冬は産卵を意識して内湾や河口の深いポイントに移動した「落ちハゼ」を狙う季節です。陸っぱりからの釣りでは遠投が必要なことも多くなります。
成長して警戒心も強くなり、水温も低いためテクニカルな釣りになることが多いですが、大型で身も厚くなり脂も乗ってくるので刺身や天ぷらなどで美味しく、真子(卵)も楽しめる季節です。
シーズンに地域差は存在する?
水温が産卵期に影響するため、温かい地域ほど冬のうちから産卵を行う個体が多く、寒い地域ほど産卵が遅くなるので、新子の成長の差によって温暖地と寒冷地でシーズンの開始がずれてきます。
また、産卵期が遅れる影響から寒い東北ではヒネハゼも多くなる傾向があるため、ヒネハゼ狙いの釣りも盛んです。
ハゼの釣れる時間帯
ハゼは昼行性の魚のため、昼間に狙うのがオススメです。夜にも捕食はしますが、積極的には動き回らない時間なので、広範囲を探りつつエサを捕食するための時間も長く取るなど、夜釣りでは工夫が必要になります。
潮の動きが釣果に直結
多くの魚は朝夕のマヅメ時に活発にエサを取ることが多いですが、ハゼの場合マヅメかどうかはあまり関係なく、重要なのは潮の動き。上げ潮とともに浅瀬に捕食に来るので、満潮前後の潮が動く時間帯が最も活性が高いことが多くなります。
潮時を事前に調べておき、上げ潮5分~下げ潮3分のタイミングなどで釣りをするのがおすすめ。釣果アップが期待できます。
特に浅場を意識している個体が多い、初夏~初秋はこの傾向が強いので、考慮しつつ釣行してみましょう。