夏の波止釣りは己の体力との闘いである。だが、こんな時こそ大型チヌ狙いの絶好のチャンス。エサ取りの猛攻に閉口しながらも、最大46cmのチヌを頭に本命4尾の釣果となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・誠太郎)
津久見港でチヌ狙い
8月8日早朝5時、足場もよく、水深も十分にある大分・津久見市の津久見港に到着。太陽はまだ顔を出していないのだが、まきエサを混ぜ、フカセ仕掛けを組んでいるだけで汗まみれ。
まずは様子見で、00号のウキを使い、まきエサと同調させながら、波止場の上層から下層まで探る全層狙いでスタートした。
当日の状況&作戦
まきエサを打って期待の第一投。当日の津久見の満潮時刻は午前9時30分。潮の流れは満ち込み独特のトルクのる左流れ。幸い上潮が滑る2枚潮ではなく、00号の仕掛けがなじむと良い感じで入っていく。
今年の津久見周辺の各波止場ではゼンゴ(アジ)の活性が低いらしく、この日もゼンゴの気配を感じない。このゼンゴ、私にとっては大敵で、海底付近のチヌまでエサを届けることを阻む厄介なヤツだ。従ってゼンゴの活性が低いのは、チヌ狙いの私にとっては実にラッキーなのである。「今日は行けるか?」と期待は高まる。
今回は、ゼンゴやコッパグレ(小メジナ)、そしてミニマダイの活性が高いと予想していたので、練りエサを準備していた。エサ取りが邪魔をするようであれば、練りエサを大きくして一気に底までエサを届ける作戦。
朝マヅメは空振り
しかし、思いのほかエサ取りの活性が低い。生オキアミもたまに頭を取られる程度で、ほぼ素通りして海底まで届いている様子。これなら逆に釣り開始早々、良型チヌに巡り会えるのではないか…と、ワクワクしたが、そうは上手くいかなかった。
試行錯誤を繰り返しているうちに太陽が顔を出し、一気に気温が上がる。待望の朝マズメの一発は逃してしまった。
エサ取りに苦戦
太陽が昇り、明るくなると同時に、まきエサを打つと、ものすごい波紋が湧きたつ。海面が光って見えないのだが、エサ取りのお出ましである。さらにまきエサを打ってから海面を凝視すると、一面「真っ赤に染まる勢い」でエサ取りが群がってくる。
正体は15cmくらいのゼンゴである。ゼンゴが小さすぎるので、チヌバリ2号のさしエサを直接食い込んでハリ掛かりすることはないが、仕掛けを投入して縦の層を探っている間、竿先にピンピン豆ゼンゴが突くアタリが出て非常に釣りにくい。
そして、竿先に待望のアタリらしき反応が出た。明らかに豆ゼンゴ以外の魚の食い込みである。しかし、上がってきたのはミニマダイ。上層の豆ゼンゴは小さすぎてエサ取りとしては問題ないようだが、その下層にミニマダイが群がっているようだ。
これはさすがに交わせない。このミニマダイにはネリエサも通らず、容赦なく食ってくる。最初はエサ取りの活性の低さに面を食らったが、本来の想定通り、エサ取りパラダイスで苦戦する釣りとなった。