居酒屋定番メニューである【たこわさ】。実は、意外と簡単に作ることができるんです。発祥とレシピを紹介します。
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居酒屋の定番料理「たこわさ」
「たこわさ」はその名の通り「たこ」と「わさび」を混ぜ合わせたおつまみです。
たこのコリコリとした食感と風味豊かなわさび、シャキシャキとした茎わさびがとてもバランス良く混ざり合った酒の肴は、居酒屋や日本食レストランでは欠かせない定番の一品です。
タコで有名な土地で多く生産されていそうですが、実はわさびで有名な静岡県などで多く作られています。
「たこわさ」は罰ゲームの副産物
たこわさびが生まれたのは実はそれほど昔の話ではありません。
誕生は1991年、三重県にあるあづまフーズ日本工場でした。
商品としての企画ではなく、ミスをした社員への罰ゲームとして『たこにわさびを混ぜて食べさせた』ことが発端と言います。
これが意外に美味しいということに驚き、まさかの商品化にむけてプロジェクトが始動したのです。
そして、その翌年、大阪で開催された新商品の展示会に試作品を持ち込み、そこで注目を浴びたことで、一気にプロジェクトは進行。
1993年には全国チェーンの某居酒屋で『たこわさ』としてグランドメニューに採用されました。
その後、90年代の居酒屋ブームの追い風を受け、日本中どこの居酒屋でもメニューに採用されるようになり、今では【とりあえず最初の一品】としても市民権を得ています。
「たこわさ」は海外でも人気
タコとわさびはどちらも日本で特に愛されている食材です。しかし最近になって、日本国外のアジアをはじめとする海外市場に定着し始めています。
アメリカ人にとっては『不思議な食べ物だが、一度食べるとクセになる」というのがブームの理由になっているそうです。日本のたこわさびと違う点として、生魚の苦手な人々の多い北アメリカ向けに、生のタコではなく茹でたタコを用いたり、たこわさびの小鉢に海苔を添え、海苔で包んで食べたりします。
もしかしたら今後、日本でもこの食べ方が流行るかもしれません。
アメリカでは最近、居酒屋やラーメンのブームに伴い、レストランのメニューにも加わりはじめ、独自の文化として根付き始めているのは間違いないでしょう。
あっという間に作れます
実はたこわさは生のタコさえあれば自宅にある材料であっという間に作ることが出来ます。
お酒の肴として、夕飯のもう一品として是非作ってみて下さい。
では1~2名分の材料をご紹介します。
・生たこ…200g
・練りわさび…大さじ1杯
・唐辛子…1/2本
・みりん…小さじ2杯
・塩…小さじ1/2杯
1. たこは水洗いし、キッチンペーパーで水気を拭き取る
2. 足の先端5〜6cmを切り落とす
3. たこをひと口大にぶつ切りにする
4. 唐辛子は種を取り除き、輪切りにする
5. 材料すべてを混ぜ合わせる
6. キ蓋をして冷蔵庫でひと晩置く
わさびはチューブのものでもいいですが、粉末のわさびを使用することでわさびの辛みをより感じる大人な味わいを楽しむことが出来ます。
生のタコが苦手な方は茹でたタコでも代用可能です。その際はみりんをほんの少し多めに入れるといいでしょう。
また、一晩おくことで味がよくなじみますが、出来立てでも十分美味しいです。時間に余裕があれば一晩おくことでグッと旨味が増します。
夏にオススメ
本格的な”夏”の到来を目前に、ますます暑くなるこれからの時期は、とにかくビールがおいしい季節です。日々の晩酌時にビールやお酒との相性が抜群のたこわさびを、ぜひ試してみて下さい。
<近藤 俊/サカナ研究所>