早春の常磐にヤリイカの群れがやってきた。2月28日(土)、茨城日立港久慈漁港の直重丸から釣行。60cmパラソル級も登場の釣行取材をお届け。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村 隆)
直重丸でヤリイカ釣り
直重丸の大船長や女将にあいさつし、心待ちにしていた6人の釣り人を乗せ、ヤリイカ船は宇佐美智大若船長の舵で5時20分に出船。
朝は北西風が残りウネリはあったが、徐々に穏やかになった。航程40分で釣り場に到着。周辺に船影はひとつもない。持参した投入器を船縁に立て掛け、プラヅノを装填してスタインバイ。
キホンの誘い方
やがて反応を捉えた船長からの「いいですよ、水深75mです」のアナウンスでオモリを前方に放り投げる。プラヅノが筒からパラパラと飛び出し海中へ。水深が浅いのでアッと言う間にオモリが着底。
キホンの誘い方は、イトフケを取り竿先を目線の高さまでソフトに誘い上げ、一拍待ってからさらに頭上へ誘い上げて、再び一拍待つ。ここでアタらなければリールのハンドルを2回転させながら竿先を海面に下ろし、また誘い上げる。これを繰り返して、底上10mを丹念に探る。
5往復したら一気に30m電動で巻き上げ仕掛けを再び落とし直す。
底上3mでパラソル級
何度か繰り返して底上3m付近で待っていると、竿先がフワッとわずかに揺れた。軽く竿をあおると、グッと確かな乗りの感触。
「まずはイカの顔を見たい」と、追い乗りを狙わずに、中速よりも一段階遅い速度で電動巻き上げを開始。絶えず引き込みが続き、やがてヨリトリリングが海面に見えてきたところで、竿を立てながら仕掛けを引き寄せる。
ミキイトをつかんでプラヅノを投入器に戻しながら回収していくと、赤帽スッテを抱いたパラソル級本命。
良型ヤリイカが船中顔見せ
右舷ミヨシ、常連の千木良毅さんにも乗りがあり、手慣れたフォームで良型の一荷。「日本海のコマセマダイ釣りが好きで、よく新潟まで行っていますが、これからは当分ここのヤリイカに没頭するつもり」とのこと。
次の群れを発見
反応が薄くなるとすぐに竿上げの合図があり、船長は次の群れを探索。
合図で投入し、イトフケを取ってシャクるとすぐにズシンと乗ってきた。巻き上げ中は、前回よりもダイナミックな引きで竿はさらに曲がる。「緩めず、張りすぎず」で慎重に巻き上げると、3尾の水噴射。バラさないように注意して取り込む。
右舷ミヨシの大山和一さんは、電動リールがトラブルにより使えないにも関わらず手巻きで良型連発。
「浅いので仕掛けの上げ下ろしは苦にならない」と余裕の笑顔。
左隣の椎名弘夫さんはじっくり釣趣を楽しみながら釣果を重ね、海水を張ったオケがパラソルで埋まっている。「引きが強くて面白い」と、さらにイカを取り込んでいる。
左舷トモの小沢要さんは長めの竿を大きくあおったり、置き竿で船の上下動に任せてみたりとさまざまな誘いを試している。「ほら、また乗ったよ。この引きがいいね」と巻き上げに移り、良型を一荷。同氏に同行した奥村英文さん(は巻き上げの最中で、単発ながら60cm級の特大に納得の笑顔。